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羞人たち

趣味で書いた羞恥小説 18禁です。

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優香 目次

優香 序章『奪われたスカート』
(1)(2)(3)(4)
優香 第一章『羞恥の始まり』
(1)(2)(3)
優香 第二章『消えた体操服』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)
優香 第三章『友情の崩壊』
(1)(2)(3)(4)(5)
優香 第四章『奴隷部員誕生』
(1)(2)(3)(4)(5)
優香 第五章『屈辱の水着』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)
優香 第六章『地獄の合宿』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)
優香 第七章『涙の引退試合』
(1)(2)(3)(4)(5)
優香 第八章『新たなる羞恥』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)
優香 第九章『悲しみの修学旅行』
(1)(2)(3)(4)(5)
優香 第十章『ささやかな羞恥』
(1)(2)
優香 第十一章『悪夢の体育祭・前篇』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)
優香 第十二章『悪夢の体育祭・後篇』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)
優香 第十三章『悪夢の体育祭・終篇』
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)

10月2日 第十三章(4)(5)(6)(7)(8)更新
7月6日 第十三章(1)(2)(3)更新
5月4日 第十二章(18)更新
4月30日 第十二章(17)更新
4月28日 第十二章(14)(15)(16)更新
  1. 2022/05/28(土) 03:20:11|
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優香 第十三章 8

 謝罪を終えると、優香は朝礼台を降り、ハチマキを解いてもらおうと、田崎のもとへ近づいた。

「あの……謝罪したので、ハチマキ……」
「あ? ハチマキ? そんなもん後でいいだろ! 今はまだ閉会式の最中だ。終わるまで待っていなさい」

 こうして謝罪を終えた後も、優香は後ろ手に両手を縛られた状態でいなければならなかった。どこへも行き場がないので田崎の横にぽつんと立ち、全校生徒に胸を晒しながら、式の終わるのを待っていた。

「……では、以上で閉会式を終わります。皆さん今日は長い間お疲れ様でした」

 それでようやく解散になり、優香は田崎にハチマキを(不自然にお尻を触られながら、ゆっくり時間を掛けられて)外してもらった。

 優香は手が自由になると、すぐに丸出しの胸を隠し、続いて股間のローターを取り出すために、トイレの個室へ駆け込んだ。

 教室に戻ると、そこではクラスの男子が着替えを始めていた。女子はすでにみな更衣室へ行っていて一人もいなかった。手で胸を隠しているとはいえ、依然全裸であることに変わりなかった優香は、顔を真っ赤にしながら、トランクス姿の男子が着替えをしている教室に入ろうとした。

 ところが、教室に一歩足を踏み入れたところで、男子の一人が大声で叫んだ。

「入ってくんなよ! まだ俺たち着替え中だぞ」
「ご、ごめんなさい……でもカバンを取るだけだから……」
「ダメだよ、早く出てけ! 着替えが終わるまで外で待ってろ」

 そう言うとその男子は、パンツ一丁の姿で優香のもとへつかつかと歩み寄る。優香は恐怖を抱いてとっさに後ろへ下がり、廊下に出たが、その瞬間、ドアをバタンと閉められてしまった。

「着替えが終わったら呼ぶからそれまで待ってろ!」

 教室の中からそう叫ぶ男子の声が聞こえた。

 再び教室に入っていく勇気は優香にはなかった。だから制服を取ることもできず、裸で廊下で待っているしかなかった。

 と、そうしているうちに着替えを終えた制服姿のクラスの女子が教室に戻ってきた。その女子たちの制服姿を見ると、優香は余計に全裸の自分が恥ずかしくなる。しかし依然として教室の中から声が掛からない。

「おそ~い! 男子まだ~?」

 と女子の一人がそう叫ぶ。

「ああ、もう別に大丈夫だぞ~!」

 それを聞くと女子たちは教室に入っていく。優香も一番最後に教室に入り、自分の席のところへ行くと、カバンから制服を取り出す。そしてすでに着替えを終えた制服姿のクラスメートたちの中で、一人全裸で着替え、というより裸に制服を着た。下着は処分されてしまったから、制服の下はノーパンノーブラだったし、優香の制服のスカートは、股下5センチの超ミニだったから普通に立っているだけでお尻が見えてしまったが、それでも数時間ぶりに着る衣服の感触は、優香の心を温かくした。イスに座ると、ノーパンのお尻は後ろから丸見えだった。だがそれでも、とにかくスカートを穿いているという意識が、優香を安心させたのだった。

 席に着くと千夏が優香のもとへやってきた。

 千夏はみんなに聞こえるほどの大声で、

「どうして体操着屋上に置いて出てきちゃったの?」「え……? 体操着は気付いたらなくなって……」
「ほら、屋上から持ってきてあげたよ。もうとっくに乾いてたみたいだけど、優香ちゃんには別に関係なかったみたいだね」

 そう言うと千夏は体操着を優香に手渡した。それは紛れもない昼に屋上から消えたあのTシャツとブルマーだった。

 クラスメートたちのあきれたような笑い声。そうか屋上で露出開始したのかという話し声……。優香は顔を真っ赤にしながら、千夏にありがとうと言った。もう何がどうなっているのかさっぱりわからなくなっていた。

 とうとう学校中に全裸を晒してしまった長い長い体育祭はこうして終わった。優香はその日スカートの下にブルマーを穿いて帰宅した。
  1. 2011/10/02(日) 16:17:17|
  2. 優香
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優香 第十三章 7

 長かった体育祭も終わりを迎え、後は閉会式を残すのみとなった。優香はこれでやっとこの全裸拘束状態から解放されるとホッとしていたが、最後に待っていたのは、閉会式で朝礼台の上に立って謝罪するという、悪夢のような罰だった。もちろん衣服は何も着させてもらえないまま、両手も後ろ手に縛られたまま、である。また股間に挿入されたバイブも(そもそも田崎はこのことを知らなかったが)そのままである。そんな状態で、全生徒・全観客の視線を一身に浴びて謝罪を行わなければならないというのだ。


――――――――――――――――――――――――


 グラウンドに整列する生徒たち。帰り支度を始める観客。前方のテント付近は、閉会式の準備のため人が慌ただしく行き交った。

 やがてスピーカーから声がして、皆に静粛をうながす。

「それでは、これより閉会式を行ないます」

 閉会式が始まった。

 成績発表、表彰、校歌斉唱と、閉会式は和やかながら厳粛に進められた。

 続いて校長の挨拶。その他何人かの言葉。やがて、生徒代表のありがとうございました的な挨拶があり、これでいよいよ閉幕かと思われた。

 と、そのとき、進行役の田崎のマイクから、こんな言葉が発せられた。

「え~、以上で閉会の挨拶は終了ですが、その前に、一人謝罪を申し出ている生徒がおります。3年2組、田辺優香、前に!」

 突然のことにざわつくグラウンド。と、そこへ一人の女子生徒、靴を履き股間をガムテープで隠しただけの全裸の優香が、朝礼台に上りマイクの前に立った。

 それは異様な光景だった。体操着姿の生徒が整列している高校のグラウンドの朝礼台に、後ろ手に両手を縛られた全裸の女子生徒が立ち、全校生徒に対峙している。西日を受けるむき出しの白い肌。露出した形のいい乳房とピンク色の乳首。体中に書かれたマジックの落書き(『変態!』『ヤリマン』『ブス』『露出狂』『↑私の乳首コリコリしてください』『100円でSEXします』)はとても声に出して読めないものばかり。彼女は朝礼台に立つと下向いて、自分に注目する全生徒・全観客の視線を、避けるようにうつむいていた。

 高まるざわめき。静粛に、静粛にという進行役の田崎の声。自分の裸を、隠すこともできず全校生徒の視線に晒さなければならない優香の羞恥。優香は顔を上げ、覚えさせられた台詞を言おうとするが、五百人を越える全校生徒の顔がすべて自分に向けられているの目にすると、途端に気が遠くなって、謝罪どころではなくなってしまうのだった。

「静粛に、静粛に! みなさん、今から彼女がみなさんに謝罪したいことがあるそうなので、どうか聞いてやってください。はい、では田辺、始めなさい」

 静まり返るグラウンド。優香は顔を上げ、マイクに口を近づけるが、緊張と羞恥から、声がなかなか出てこない。よほど恥ずかしいのだろう、顔は耳まで真っ赤に染まり、今にも泣き出しそうに、唇を噛んで必死に涙を堪えている。

 そうして一分ほど経った。グラウンドがまたざわつき始めた。するとすかさず田崎が、今度は明らかに怒気のこもった声で、再び優香をうながした。

「早くしなさい、田辺。お前一人のために式を延ばすわけにはいかないぞ。お前がどうしてもと言うから、こうして謝罪する時間を設けてやったんだぞ」

 優香は屈辱の表情で田崎の方を振り向く。

(どうしてもなんて、わたしそんなこと言ってない……それじゃあまるで、わたしが自分の意思で、この場所に立って、みんなの前に裸を晒しているみたいじゃない……)

「何だその目は? 先生が何か間違ったことを言ったか?」

 と、そう田崎が声を荒げて言ったとき、優香の股間のローターが、突然震え出した。

「ぁん……い、いやぁぁッ……!」

 緊張のため、優香は股間にローターが挿入されていることを忘れていた。そのため、この突然の不意打ちに、優香は無意識に声を洩らしてしまい、そしてすぐ、それを打ち消すように叫んだのだった。。

 ざわつくグラウンド。隣同士ひそひそ話し合う声……。

「ねえ、いま何かイヤらしい声出さなかった?」
「うん、あたしもはっきり聞こえたわ」
「あんっ、とか言って、この期に及んでまだ興奮してんのかしら」
「ああやって時間稼ぎして、少しでも長く裸を見てもらいたい作戦なのよ、きっと」
「なんでそんな露出狂の楽しみにウチらが付き合わされなきゃなんないのよ! ホントいい迷惑だわ」

「静粛に、静粛に!」

 沸き返るざわめきを何とか抑えようとする田崎。再度にわたる呼びかけで、ようやくグラウンドは静かになる。

 田崎は再び優香に問い掛ける。

「田辺、もう一度聞くが、さっき俺が何か間違ったこと言ったか? 文句があるならいいなさい」

 優香の股間のローターは振動し続けている。正しい答えを言うまで止めないつもりだ、と優香は思った。

「い、いいえ……」
「なんだ? 何がいいえだ? ちゃんとはっきり言いなさい」

 止まらない振動。優香は顔を歪め、腰をくねらせながら、必死に股間の刺激を我慢する。

「も、文句は、何も……ありません」

 まだ振動は止まらない。優香は続けた。

「ま、間違ったことは、ぁん……何も……先生は言ってません、んぅぅん……!」

 それでも止まらない。かえって振動は強くなるばかりだ。優香は散々ためらったすえ、これだけは言いたくなかった言葉を言った。

「わ、わたしが、どうしても謝りたくて……先生に時間を作ってもらいました」

 それでやっと振動が止まった。ホッとする優香。しかし代わりに一つの事実ができあがってしまった。優香が自分の意思で謝罪を申し込んだという事実が。そしてそうなると当然、この後に行われる謝罪の内容も、すべて事実だということになってしまう。

 田崎はその答えを聞くと、グラウンドが再びざわつき出す前に、喋り出した。

「そうだな、先生の言ったことに間違いはなかったな。じゃあ、さっさとお前が自分で申し出た謝罪を、行ないなさい」
「は、はい……」

 優香は再び前を向き、マイクに口を近づけた。

 静まり返るグラウンド。全生徒・観客の目が、朝礼台の上の、全裸の優香のもとに集まる。

 そのまま2分ほど経った。優香はまだ躊躇っていた。すると田崎が、もう我慢の限界だとばかりに、強い口調でこう宣告した。

「あと1分! 1分以内に始めなかったら、後で1クラスずつまわって謝罪してもらう。1年から3年までのすべての教室をまわって、同じ謝罪を繰り返してもらう。もちろん今のそのままの格好でだ。どっちがいいかは、自分で判断しなさい」

 こうなってはもうどうすることもできない。優香は直ちに謝罪を始めるしかなくなった。1回でも死に値するほどの屈辱なのに、それを全クラスまわって、何十回と繰り返すだなんて、とてもできるはずがなかった。

「あの、みなさん……」

 優香は口を開いた。そして震える声で、謝罪を開始した。

「……3年2組、田辺優香です……。私が今ここに立っているのは、今日の体育祭での私の振る舞いについて……どうしてもみなさんに、お詫びしなければならないことがあるからです……」

 ここまで言うと、優香は一度話を止め、皆の反応を窺った。観衆はしーんと静まり返っている。みな耳を傾けて自分の話を聞いている、そして話の続きを待っている……。優香は恥ずかしさに頭が真っ白になって、話の続きが出てこなかった。

 と、そこへまたあの振動がやってきた。もたつく優香を急かすように、ローターが、突如激しく振動して、優香の股間を刺激するのだった。

「んぅ……い、いやッ……は、話します。続きを言いますから……聞いてください……!」

 振動が止まった。優香は息を整えると、もう逃げられないと覚悟して、話の続きを始めた。

「……私は今日、体育祭において、本校の生徒にあるまじき卑猥な行動をしてしまいました。すなわち……穴の開いたブルマを穿いて、女性器を見せつけ、男子生徒ならびに男性のお客様を性的に誘惑しようとしました。また、さらに騎馬戦では、男子に紛れて参加して、裸の胸をみなさんに見てもらうことで、露出の願望を……満たそうとしました……。しかしこれらは、本校の女子生徒、のみならず、一人の女性として、大変慎みを欠いた、許されざる行ないでした。本当に申し訳ありませんでした……」

 言い終わると優香はグラウンドに向かって深々と頭を下げた。傾きかけた陽に白く照り映える裸の背中。後ろへ突き出された真っ白なお尻は屈辱とともに細かく震えていた。
  1. 2011/10/02(日) 10:41:47|
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優香 第十三章 6

 午前中の醜態に対する反省と称し、全裸の格好はそのままで、グラウンドのイスの上に立っているよう命じられた優香。そのうえ、何者かに目隠しされている隙に、股間にバイブを入れられてしまった。股間を走る稲妻のような振動。後ろ手に両手を縛られているため、自ら取り除くことはできず、見守る大勢の生徒や観客の前で、卑猥に腰を振って身悶えしてしまったのだった。

 その後も振動は定期的に、午後の体育祭が開始されてもお構いなしにやってきた。優香はそのたびに腰を屈め、激しく身悶えして、必死に振動に堪えようとするのだった。操作している人間が誰かわからないため、どこへも感情をぶつけられず、イスの上で独りで我慢しているしかなかった。移動のためそこを通り過ぎる生徒たちは、イスの上の優香が顔を真っ赤にして腰をくねらせているのを見て(またときどき何かあえぐような卑猥な声を洩らすのを耳にして)股間にバイブが挿入されているとは知らないので、そんな優香の悶え苦しむ様子を、てっきり露出の快感に興奮しているものと思い込み、軽蔑の冷ややかな視線を送るのだった。

「見てよあれ。いやらしく腰振っちゃって。あんなにまでされて、まだ嬉しいのかしら」
「ホント最低の女よね。あんなイスの上に裸で晒し者にされてるのに、かえって興奮しちゃってるんだもの」
「あれじゃ罰の意味ないよね。てゆうかあの恥知らずにとっては、むしろご褒美みたいなもんだよ」
「変態、牝犬、恥さらし……まさに体に落書きされたとおりよ、超ウザい」
「ねえちょっと見て、股間のところ、興奮のし過ぎで、何か出てない?」
「うわ~! マジありえないんだけど。この状況で濡れるとか、もう完全に頭おかしいわ……」
「てか、ウチらがこんなふうに見てるのって、あいつの思うツボじゃない? 無視してさっさと行った方がよくない?」
「そうね、こんな恥さらし相手にしない方がいいわ。さ、行こ!」

 そう言ってその二人組の女子は立ち去った。が、残された優香の股間はなおも振動し続けた。目の前に誰もいない状態でも、いやらしく腰をくねらせ、露出の快感に興奮し続ける恥さらしな女……。相次ぐ振動にもう股間はびしょびしょ、貼られたガムテープの隙間から、恥ずかしい汁が溢れてしまっている。これでは本当に露出の快感を味わっていると思われてもしかたなかった。誰がどう見ても、性的な興奮に身もだえする露出狂女の図だった。

「見ろよあの顔。あれ完全にイッちゃってるぜ。目つぶって、口半開きにしてさ、絶頂に達してるときの顔だよ!」
「それにしてもすげえマン汁。誰も触ってないのに、見られるだけであんなに大量に出るものなのか?」
「ま、それは露出狂だからな。裸を見られるのが何よりの快感なんだろうよ。ほら、その証拠に、乳首おっ立てて、すげえ気持ちよさそうな表情してるじゃんか」
「苦しんでるようにも見えるけどな」
「いや、あれは完全に恍惚の顔だよ」
「じゃあ、もっと見てやるか。なあ、優香ちゃん、そんなに嬉しいんなら俺たちがずっと見ててやるよ。ほら、こうやって……お、いまエロい声だしたぞ!」
「もうゴミ以下の女だな。汚すぎて、触る気にもなんねえよ」

(違う……違うの……! 嬉しくてとか、そういうんじゃないの……体が勝手に……んんっ! 中に変なもの入れられてるの……)

 止まらない振動。限界寸前のところで止まったかと思うと、また数分後、油断しているところへ震え出す。そのたびに優香は不意打ちを受けたための声を洩らし、恥ずかしさに顔を赤らめることになるのだった。溢れ出る股間の汁は、太ももを伝い足首に達し、卑猥な道筋を足に残した。ぽたりぽたりと、股間から直接イスに滴り落ちるときもあって、もうどんな言い訳も通用しない液体が、優香の足元に証拠を積み重ねていく。

 そしてその間も体育祭は続けられていく。着々と競技の行われていくグラウンド内の熱狂。それに対して、グラウンドの隅で、悶々と全裸で振動に堪え続ける孤独な優香。時間が経つにつれて、優香にちょっかいを出す人間の数は段々と減っていき、優香はグラウンドにおける邪魔で目障りな置物みたいな存在になっていった。今ではもう、数人の優香ファンと、痴女好きの観客が、周りに張り付いているだけだった。それ以外の者、特に女子生徒たちは、もうとっくに興味を失っていた、というより汚らわしい存在として優香を無視していた。

「懲りないねぇ。まだやってるよ」
「だめだめ、見ちゃだめ。見たらまた調子に乗るよ」
「でも、何かムカつくを通り越して逆におもしろくなってきた。もう男もみんな飽き始めてるのに、本人はまだ必死に、腰振ってアンアン言ってるんだもん」
「あんたも隣でやってくれば? 一緒に腰を振って、アンアンって」
「ちょっと冗談言わないでよ。そんなことするくらいなら、死んだ方がマシよ。服着てたってできないわ!」
「ホントそうよね~」
「うん、絶対無理。死んだ方がマシ」

 このような陰口が各所で行われていた。が、当の優香はどこでどんな悪口を言われていようと、イスの上に立っていなければならず、定期的に震え出す股間の振動から、理性を守り続けなければならないのだった。

 だが、時とともに優香の理性は崩壊寸前になっていった。何時間にも及ぶ執拗なバイブ責め(しかも時が経つにつれ強力になってくる)に、頭は朦朧とし始め、股間の感覚だけが、彼女の意識を占めていった。だからもう声を抑えることもできない(自分では何とか我慢しているつもりだったが)。そんな状態だった。

「あぁぁぁん……! イヤッ……! んぅぅぅ……」

 腰が砕けそうになったところで、振動が止まる。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 と優香は息を整える。

 そしてまた数分後に、

「いゃぁぁん……! んぅぅん……あぁぁぁん……!」

 と、同じことがまた繰り返されるのだった。もう股間はびっしょびしょ、イスは優香の卑猥な液で水浸しになっていた。

 こうして午後の体育祭のあいだ股間をいじめられ続けた優香であったが、それでも、何とかイスから降りずにだけは済んだ。やがて体育祭最後の種目が終わり、あとは閉会式が過ぎれば、解放されるはずだった。しかし、その閉会式が始まる前に、優香のもとへ田崎がやってきて、こう言い渡した。

「最後に、みんなの前に出て、今日のことをすべて謝罪するんだ」
「え? 謝罪……前に出て……?」
「そうだ、朝礼台の上に立って、直接謝罪の言葉を言うんだ。そしたら本当に反省したものとして、その両手のハチマキを解いてやる」
「謝罪……? 朝礼台の上に立って……? イヤッ……そんなことできません!」
「やりたくなかったらそれでいい。だが、その場合は反省不充分として、ずっとそのままの格好でいてもらう。反省充分と認められるまで」
「そ、そんな……」

 優香は目の前に突き付けられた新たな現実に、気が遠くなった。
  1. 2011/10/02(日) 10:20:07|
  2. 優香
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優香 第十三章 5

 ついに職員室へ呼び出されてしまった優香。取り巻く生徒の野次や罵声を浴びながら、晒し者のように全裸で廊下を渡っていく。胸の中いっぱいの不安と羞恥……それはまさに死刑台へ向かう罪人のような心境だった。

 やがてとうとう職員室の前にたどり着いた。ドアの前で優香は一度立ち止まり、落ち着こうとしたが、足の震えは激しくなるばかりだった。

 数秒後、優香は意を決して顔を上げ、足を踏み出した。そして後ろ手に両手を縛られた素っ裸の姿で、開け放たれたドアの向こう、学校の職員室の中へ入っていった……。


――――――――――――――――――――――――


 昼休みが終わった。グラウンドに、昼食を終えた生徒たちが集まり出した。午前の疲れも、おいしい弁当と充分な休憩で吹き飛んで、みな元気な姿で戻ってくる。

「よーし、気合い入れて午後も頑張るか!」
「俺たち次は何の種目に出るんだっけ?」
「さあ、なんだったっけな……まあいい、とにかくやるだけだ!」
「なんだそれ。何に出るかも知らないで……ん? ちょっと待て、おい、あれ見ろよ……」

 そう言うとその男子生徒は何やら前方を指さした。

 グラウンドの端、生徒席へ向かう道の途中に、裸の女子生徒が一人、置かれたイスの上にぽつんと立っていた。後ろ手に両手を縛られた格好で、おっぱいは丸出し、下半身も何も穿いていない状態だ。唯一、靴だけは履いていたが、全裸に履く運動靴は、かえって違和感を浮き彫りにして、彼女が裸であることを強調していた。

 その裸の女子生徒は、グラウンドの端に置かれたイスの上から一歩も動かないでいる。まるで見てくださいと言わんばかりに、じっと立ったままである。しかし状況とは裏腹に、下を向いて、通り過ぎる生徒や観客と視線が合わないようにしているのは、やはり恥ずかしいからだろうか?

 近づいてよく見ると、素っ裸の彼女の体には、胸の谷間からお腹へかけて、黒いマジックで大きく『反省中』と書かれていた。また、丸出しと思われた彼女の乳首と股間には、それぞれ、バンソウコウとガムテープが貼られていたが、バンソウコウは乳首を隠すには幅が細すぎて乳首のピンク色がはみ出てしまっていたし、股間に貼られたガムテープは、早くも剥がれかけて性器が覗いてしまっていた。

 そう、つまりこれが職員室への呼び出しの結果、田崎から優香に課せられた罰だった。午後の体育祭の間、騎馬戦を終えたそのままの格好で、グラウンドの隅に置いたイスの上に立っていなければならないという。一応の配慮のつもりか、乳首と股間をテープで隠そうとはしているが、どちらも完全には隠しきれておらず、単なる形だけのものだった。だから本人にとって、それは全裸であることに変わりなかった。

「もし一度でもイスから降りたら」と職員室で田崎は言い渡したのだった。「ハチマキはずっとそのまま。今のそのままの格好で、下校してもらう。いいな、嘘じゃないぞ、俺の全責任において、そうしてもらうからな」

 こう威勢よく田崎は言ったものだった。が、本当のことをいうとそれは田崎本人の言葉ではなかった。昼休み開始と同時にやってきた千夏に脅されて、優香を呼び出し、これこれこういう命令を(すべて田崎の責任で)優香に与えるようにと、命じられてやったことだったのだ。

 そうとは知らない優香は、ただもう田崎の脅迫を恐れ、彼の下した罰に従うほかなかった。

(どこまであたしをいじめれば気が済むの……? どうしてあたしばっかり、こんな恥ずかしい目に合わないといけないの……?)

 笑いながら自分を見上げる生徒たちの視線を受けながら、優香はこんなことを思うのだった。グラウンドにぽつんと置かれたイスの上に、両手を縛られた生れたままの姿で、逃げも隠れもできず、人々の視線を浴び続けなければならない。胸に書かれた『反省中』という文字。しかしそれは、反省と称した、ただの晒し者の罰だった。

(やだ……みんな見ないで、あたしのことを、そんな冷たい、軽蔑したような目で、お願いだから……)

 しかし優香の願いもむなしく、通りかかる生徒たちはイスの上に立つ優香を見ずにはいられない。男子はにやにや舐めるように優香の体じゅうを見回しながら、立ち止まり、女子たちは顔をしかめて優香のいやらしい裸を睨みつけながら、通り過ぎていく。女子の中には持っていた色マジックで優香の体に文字を書き足す者もいて、『変態!』『死ね!』『私は露出狂です』『↑ここにボッキしたチン〇を入れてください』などという言葉が優香の太ももやお尻などに書かれていった。

 優香は何をされても抵抗できない。どんなに悪質なイタズラをされようと、それを我慢することしかできなかった。やがて優香の乳首に貼られたバンソウコウは、陰険な女子の手によって位置をずらされ、せっかく隠れていた乳首が丸見えになった。股間のガムテープも、勢いよく剥がして優香の股間を痛めつける行為を繰り返しているうちに粘着力がなくなってきて、最後にはもう足を閉じる力によって何とか股間にしがみついているという状態だった。

 それはまさに晒し者という言葉がぴったりだった。

 と、そんな状態で堪えること数分が経ったときだった。突然、誰か背後からイスに上がってくる者がいて、優香の目に、タオルを巻いて視界を遮ってしまった。

「え、なに……見えない、やめて……!」

 優香は突然のことに動揺して言った。

 しかし相手は構わず作業を続け、今度は優香の股間から粘着力のなくなったガムテープを取り去った。そして次に、代わりとなる新しいガムテープを、優香の丸出しの股間に貼ったのだが、その際、優香はテープを貼られるのと同時に、何かが股間に挿入されたのを感じた。

「いやっ! なに、何を入れたの? やめ……あぁぁん……!」

 そのとき、優香の股間に振動が走った。初めてではない、身に覚えのある振動だった。

「いゃゃあ……やめてぇぇ……!」

 しかし股間の震えは止まらない。両手を縛られているため取ることはできない。股間に貼られた新しいガムテープはしっかり挿入物を固定してしまっている。どうにもできない股間の震えに激しく身もだえする優香。依然として視界はタオルに覆われたままなので、一体相手が誰なのか、また今自分の回りにどのくらいの人がいるのか、まったくわからない。何も見えない暗闇の中で、腰を振り身悶えして股間の刺激に堪え続けなければならなかった。

「いやぁ……止めてぇぇ……! それ以上は……立てない……」

 優香はうめき声とともにそう叫ぶ。両足を閉じ合わせ、腰をクネクネ振り動かす姿はまるでトイレを我慢する子供のようだった。

 やがてもう本当に我慢の限界、これ以上長引くとイスから落ちてしまうと思われたそのとき、いきなりタオルが取り払われて、暗闇が一気に晴れた。

 その瞬間、優香が目にしたものは、自分を見上げる生徒・観客のたくさんの顔、顔、顔だった。薄笑いや侮蔑の表情を浮かべた、たくさんの顔である。イスの上で身悶えする優香を見ながら、眉間に皺を寄せ、ひそひそ話し合う女子たちの顔。優香のいやらしい腰の動きを見ながら、にやにや薄笑いを浮かべる男たちの顔。優香は、突如目の前に現われたそんな顔々を見て、恥ずかしさから思わず悲鳴を上げた。

「いやぁぁあ……!」

 そのときようやく股間の振動が止まった。

 ホッと胸を撫で下ろす優香。ハアハアいって、乱れた呼吸を整えようとする。しかし振動が止まっても、取巻く人々はイスの上の優香を相変わらず眺め続け、その視線は冷たいままだった。

 しばらくして、優香はハッと思って後ろを振り返った。しかし、犯人の姿はすでに消え去っていた。

 股間に仕掛けられたものはそのままだった。

 だから優香はまたいつ振動が始まるかとビクビクしていなければならなかった。


――――――――――――――――――――――――


 一方、ちょうどその頃、千夏はグラウンド脇の女子トイレに入っていくところだった。

「あ、千夏。こんなとこにいたんだ。どこ行ってたのよ? 昼休みにお弁当も食べないで」
「え、うん、ちょっとね」
「それにガムテープなんか持って、何に使うの?」
「うん、ちょっと先生に頼まれたの」
「へえ……あ、それはそうと、千夏見た? このすぐ裏で、優香がさあ……」
「ごめんね、その話また後にして……洩れちゃいそうなんだ」
「あ、ごめんごめん。じゃあ、また後でね、バイバ~イ」
「バイバ~イ」

 そう言って個室に入り込む千夏の顔には残酷な笑みが浮かんでいた。
  1. 2011/10/02(日) 09:34:13|
  2. 優香
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優香 第十三章 4

 教室の床に置かれた自分の弁当を、後ろ手に両手を縛られた状態で、全裸で、口でじかに食べさせられる優香。床すれすれのところに顔を近づけ、突き出した丸出しのお尻とおま○こを、クラスメートに見つめられながら、それをどうすることもできない。飛び交う野次と軽蔑の声。屈辱と羞恥の、これ以上ない悲しい昼食だった。

 と、その屈辱の食事がそろそろ終わろうとしていたとき、教室のスピーカーから、全校放送が流れてきた。

「3年2組、田辺優香、至急職員室へ来るように。え~、繰り返します、3年2組の田辺優香、至急職員室の田崎のもとへ来るように」

 田崎からの呼び出しだった。それを聞いた優香の顔は、みるみる青ざめていく。

(どうしよう……こんな格好で、行けないわ……)

 しかしクラスメートたちはお構いなしに、恐怖に震える優香をうながす。

「あーあ、ついに呼び出しが掛かっちゃった」
「さっさと行ったほうがいいよ、早くしないと余計に怒らすことになるから」
「どうするつもりだろう、田崎のやつ」
「決まってるじゃん、怒るふりして、この子の裸たっぷり見ようって魂胆に」
「罰としてお尻叩きだ、とか言って、ネチネチお尻触られちゃうかもね」
「さあ、弁当はもういいから、早く職員室に行きなよ」

 優香はふらふらと立ち上がった。その顔は恐怖にこわばっている。

「あの、お願いだから、このハチマキだけでも解いて……」
「いやダメよ、そんな時間ないわ。至急来るようにって言ってたの、聞こえなかった?」
「でもハチマキ解くぐらいの時間は……」
「あんた自分では見れないかもしれないけど、そのハチマキ、かなりきつく縛ってあるみたいだから、簡単に解くのは不可能よ。そうねえ、たぶん5分か10分は掛かるわね。あんたもしかして、5分も10分も田崎を待たせるつもり?」
「……」

 優香は考えた。田崎を待たせて怒らせることは、絶対に避けた方がいいことを。また、いま目の前で自分をからかっているクラスメートたちが、ハチマキを解いてくれる気など毛頭ないということも。優香が進むべき道は、一つしかなかった。つまり、今のこの胸も股間も隠すことのできない素っ裸の状態で、職員室へ出向き、いらやしい目で自分の裸を見つめてくるに違いない、田崎の前に立たなければならないのだ。

(行くしかないのね。でも、行きたくない……何をされるかわからない……) 

 なおもためらっている優香。それをクラスメートたちが急かす。

「さあ、早くしないとマジでやばいよ。あんたのためを思って言ってんのよ」
「そうよ、怒らせたらどんな罰が待っていることか」
「まあ、口の周り汚れたままで行かせるのはかわいそうだから、とりあえずこれで拭いてあげるわ」

 そう言って優香の口の周りを拭いたのだが、それは優香の制服のスカートでだった。

 しかし最早そんなことにイチイチ文句を言ってられる状況ではなかった。

「せめて制服だけでも着させて……」

 無駄だとわかりつつも、優香は涙ながらに訴える。

 と、そのときまたスピーカーから放送が流れてきた。先程より鋭い、優香を呼び出す田崎の声……。

「も~、なにグズグズしてんのよ。さっさと行きなさいよ!」

 そう言うとその女子は、仲間と三人がかりで優香を押して無理矢理歩かせると、戸惑う素っ裸の優香を、教室の外へ追い出し、ドアを閉めてしまった。

 これでもう、引き返す場所がなくなってしまった。職員室へ行くしかなかった。

 職員室までの不安な道のり。放送を聞いて様子を見に出た他のクラスや他の学年の生徒たちの群れが、優香の周りを取り巻く。彼らは全裸の優香の姿を見ると、一瞬静まり、その後ひそひそと仲間同士話し合う。優香は下を向いて誰とも視線を合わせないようにしながら、静まり返る生徒たちの群れの間を進んでいく。自分の意思に反してぷるぷる揺れてしまう裸のおっぱい、隠すことのできない丸出しの股間……。それを性欲むき出し目で見つめてくる下級生の男子たち、また、軽蔑むき出しの表情で睨みつけてくる下級生の女子生徒たち……。

「お~い、みんな道を開けろ~! 田辺先輩のお通りだ~!」
「ハハ~、おい、お前らも一緒に先輩のおっぱい拝めよな!」
「どうぞ、田辺先輩! この道をお歩きください。願わくばお尻をいやらしく振りながら、できればわたくしめに穴を見せつけるように、歩いてほしいでございまする」
「何がございまするよ、バカバカしい!」
「ホント目障り、あんな恥知らずな格好で目の前歩かれて」
「早く職員室に行って罰してもらいなさいよ、田崎に!」
「なんならその前にウチらが罰してあげましょうか、先輩?」

 行く先々でそんな言葉を浴びせられる優香だった。それはまさに晒し者、江戸時代の刑罰の資料にでもあるような、町なかを全裸で引きまわされる女の罪人そのものだった。

「早く行きなさいよ、この恥さらし!」
「なに下向いて恥ずかしがってんのよ、変態のくせに!」

 するとその女子の群れの中から、消しゴムや丸めた紙などが、優香の背中へ投げつけられる。優香はそんな年下の女子たちの冷たい仕打ちを、唇を噛みしめ、うつむきながら、必死に堪えるのだった。みじめさと、悔しさ、そして恥ずかしさで、もう胸が張り裂けんばかりだった。
  1. 2011/10/02(日) 09:00:46|
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優香 第十三章 3

 優香は自分の席に着いた。

 しかし席に着いても両手を縛られているので昼食を取ることはできない(もっとも、こんな状況で食欲などあるはずがなかったが)。優香は椅子にぽつんと座っているしかなかった。全裸のお尻に固い椅子が冷たかった。

 すると、その優香のぽつんと座っている席の周りへ、男子たちが、椅子を持ってやってきた。そして優香を取り囲むように座ると、各自目の前の、白い、優香の全裸をねっとり鑑賞しながら食事を始めた。裸をおかずに、というわけだ。

「いやー、田辺の裸を見ながらだと、食が進むなあ」
「胸見ながらメシ十杯はいけるぜ」
「じゃあマ〇コ見ながらだとさらにもう十杯だな」
「ほら、優香ちゃ~ん、俺たちの食が進むようにマ〇コも見せてくれよ~。さっきみたいにさ、股開いて、ちん〇入れてくださいって誘惑してくれよ」
「そしたら、俺のソーセージ食べさせてあげるよ~」
「俺のフランクフルトもな~」

 そんなふうに男子たちは優香をからかうのだった。

 優香はその男子たちのからかいや、露骨な眼差しに、じっと堪えるしかなかった。胸を隠すことも、また囲まれているので逃げることもできない。顔を伏せ、自分のいやらしい裸をじっと睨んでいることしかできなかった。

 と、やがて男子たちの盛り上がりが最高潮に達しようとしたときだった。

 調子に乗った一人の男子が、何を思ったか、突然腕を伸ばして、優香のまる出しの乳首の片方(先っちょの可愛らしい突起)を箸でつまんだ。

「いやッ! ちょっと、なにするの……!」

 優香は顔を真っ赤にして叫んだ。しかし怒ったところで、箸でつままれた自分の乳首をどうすることもできない。

「ああ、悪りい悪りい、てっきり豆だと思ったよ」
「そんなわけないじゃない……!」
「でも、こっちのお豆もうまそうだな」

 と言うと、その男子は再び腕を伸ばして優香のピンク色の小粒の豆を、いや乳首の突起を、箸の先で器用に挟んだ。ぷにぷに押し潰される乳首の突起。箸で転がされて、上を向いたり、横を向いたりする。

「や、やめて……いやッ!」

「あれ? なかなか取れないなあ」
「箸の使い方が下手なんじゃないか」
「見ろよ! だんだん固くなってきたぞ」
「ほら、箸でつまむと、すげえ弾力」
「マジで食いたくなってきたよ。よだれが止まんないぜ」

 優香は隠すことのできない自分の乳首を、クラスの男子に、箸で挟まれ、つつかれたり、引っ張られたりして、もう声も出せないほど恥ずかしかった。そしてもう自分で見てもわかるほど、刺激を受けた自分の乳首が、なまめかしく硬直して、大きくなってしまったのを、くやしく思った。

 すると、相手の男子は、もう本当に我慢できなくなったのか、いきなり優香の方へ身を乗りだし、顔を近づけると、優香のそのなまめかしく硬直した乳首(まるで食べてくれと言わんばかりに赤く色づいた)を、舐めようとしだした。

「いやッ……こ、来ないで……!」
「ほれほれ、優香ちゃんの乳首はどんな味がするのかな~?」
「や、やめて……近寄らないで」
「とかなんとかいって、ホントは舐めてほしいくせに」

 優香は椅子から立ち上がり、男子から逃げようとする。だが、周りを椅子に囲まれているため、思うように逃げられない。椅子の形作る円の狭い空間の中で、迫り来る舌を避けなければならなかった。

 逃げまどう優香の裸体が、取巻く男子たちの目の前で、激しく踊る。かつてあれほど熱烈な思いを込めて憧れ、妄想するしかなかったクラスのアイドル、田辺優香の揺れるおっぱい、くねらせる白いお尻、丸出しのおま〇こが、いま、現実に自分たちの目の前にあって、卑猥なダンスを踊っていた。

「いいぞ~、もっとケツ振れ~! くねくねっと、俺たちに突き出すように~!」
「おっぱい揺らすのも忘れずにね~。ぷるんぷるんと、いやらしくね~」
「ほらほら、逃げないと吉田に乳首食べられちゃうよ~」
「優香ちゃんの完熟乳首、きっと甘い味がするんだろうな~」
「練乳つけて、パクッと一口で食べたいな~」

 必死に逃げまどう優香の裸体に、男子たちのそのような野次が次から次へと飛び交った。もう彼らの目の前にいるのは、クラスメートの田辺優香ではなく、一つの女の裸体、自分たちを興奮させ、楽しませるための、裸のおっぱいとマ〇コにすぎなかった。

 しかし、そのとき、今まで男子たちのそんな様子を黙って見ているだけだった女子の一人が、突然横から口を出して割り込んできた。

「男子~、やめときなよ。あんまり構うとまた調子に乗るよ~」

 すると、その言葉を期に、グループの他の女子たちも不満を言い出した。女子たちは、クラスの男子があまりにも優香のことばかり構うので、内心嫉妬していたのだった。

「そうだよ~、そんなにちやほやすると自分がモテてると勘違いするよ」
「ホントはハダカ目当てなだけなのにねえ」
「きっと、ああやって逃げながら、あたしって超かわいい、男子にモテモテって思ってるんだよ」
「勘違いしないでね~、モテてるのはあんたじゃなくて、あんたのいやらしい裸なんだからね~」
「そうそう、別にあんたじゃなくっても、そんないやらしい格好でいたら誰だって注目されるんだからね~」
「ねえ、ちょっと真希ためしにやってみたら?」
「なんであたしが? あたしにあんなみっともない格好できるわけないじゃない!」
「ハハハ、そうよね~、あんないやらしい格好、しかもクラスの男子の前で、普通の人間じゃあとてもできないよね~」
「できるわけないじゃ~ん」
「優香くらいだよ~、あんな姿で平気でいられるのは」
「でも、あんな見え透いた挑発に乗る男子も男子よね~」
「ホントよね、あんな最低の女を相手にする人と、あたし話もしたくないわ」
「あたしも~」
「あたしもよ~」

 こうした女子たちの会話に、風当たりのようなものを感じた男子たちは、女子から嫌われたくなかったので、悪乗りを中止せざるを得なくなった。

 男子たちのテンションは一気に下がってしまった。

 が、しばらくして、その盛り下がった男子のところへ、先程のグループの中の三人の女子がやってきて、言った。

「優香ちゃん、お弁当食べないの~?」
「食べないとお腹すくよ~」
「もしかしてお弁当忘れちゃったの~?」

 と言うと、その女子は優香のカバンを開けて中を見た。

「あら、ちゃんと持ってきてるじゃん」
「せっかくママが作ってくれたんだから、ちゃんと食べなきゃダメだよ」
「はい、ここに置いといてあげるから、残さず食べなさい」

 するとその女子は、優香の弁当箱のフタを開けて、それを、教室の床の、自分の足もとに置いた。

「ほら、早く食べなさいよ」
「食べないんなら、あたしたちは出て行って、男子に食べるの手伝ってもらうからね」
「そしたらさっきの続きが待ってるよ」
「うちらがいなくなったら、もう乳首だけじゃ済まないかもね」

 優香は意地悪く自分を誘導する女子たちの顔を、悲しげに、助けを求めるように、見つめていた。助かる見込みはなさそうだった。意地悪な笑みを浮かべた女子たちの顔には、軽蔑と、憎悪と、復讐の感情が、もう動かしがたく貼りついていた。

「ほら、さっさと食べなさいよ!」

 言いながらその女子は上履きで弁当箱を軽く蹴った。

「あと十秒以内に食べ始めなかったら、うちらホントに出て行くからね」
「じゅ~う、きゅ~う……」

 無情なカウントが始まった。もう回避するすべはなかった。

 優香は取り巻く男子の輪から抜け出ると、カウントする女子たちのそばへ行き、その足もとに、膝をついて、床に置かれた自分の弁当箱に、顔を近づけた。

「さ~ん……あ、食べた~!」
「うわ~、ホントに食べたよ~」
「口で直接なんて、犬みた~い!」
「いや、犬みたい、じゃなくて、もう完全に犬よ。だって廊下の壁におしっこしちゃうくらいなんだから」
「あ、そうか、じゃあこの食べ方でもともと正しかったというわけね」
「ほら~、犬優香~、ちゃんとこぼさないで食べるんだよ~」

 床に膝をつき、口で直接弁当を食べる優香。後ろ手に両手を縛られているため、手を使うことはまったくできない。正座したお尻は、頭を下げることで、自然と高く突き出され、その突き出されたお尻は、椅子に座った男子たちに、一部始終見られていた。お尻の穴まで、はっきり見えて、おま〇こも当然、丸見えだった。

「うおぉ! すげえ、こんな至近距離で、マ〇コまる見えじゃねえか!」
「豆のつぎは、アワビかよ!」
「ぷりっぷりの、新鮮そのもののマ〇コだな」
「軽く揉んで、醤油つけて食いたいぜ」
「いや、むしろこのマ〇コで味をつけて、弁当食いたいぜ」
「これならメシ百杯は余裕で行けるな」

 クラスメートの前で犬のように食事させられる。これ以上の屈辱が他にあろうか。後ろからは全裸の下半身をいいように見つめられ、からかわれ、前からは、腕を組んで立っている三人の女子に、監視され、見下され……。優香はもう自分がいったい何を食べているのかわからなかった。口に入れたおかずは何の味もしなかった。ただもう屈辱の苦さと、涙のしょっぱさがあるだけだった。

「ねえ、そんなもたもた食べてたら、昼休み終わっちゃうよ」
「ほら、こうやって、もっとお弁当に顔を近づけて」

 と言うとその女子は、足を上げ、上履きで優香の頭を軽く踏んづけるようにした。優香の口元がケチャップで赤く汚れた。

「あ、そうだ、お弁当食べてると喉も乾くでしょう?」
「そういえばカバンの中にちゃんと水筒も入ってたよ」
「じゃあ、これも床に置いとくから、飲んでね」

 と言うと、水筒のコップに入れたお茶を、弁当箱の横に置いた。

「カラになるまで飲まなきゃダメだよ」
「もしコップ倒して床にごぼしたりしたら、今度は制服で拭いてもらうからね」
「制服まで雑巾にしたら、もう着るものなくなっちゃうね」
「いいじゃん、制服なんかなくても。どうせ犬なんだし、それも発情期のメスよ」
「ほら、さっさと飲みなさい」
「早くしないとまた頭踏んづけるよ」

 優香はしぶしぶ、なみなみと注がれた水筒のコップに、顔を近づけ、上の方のお茶を、吸い込んだ。

 しかしある程度飲んでしまうと、残った下の方のお茶は、唇が届かず、吸い込めなくなってしまった。優香がためらっていると、女子たちが早くしろと急かす。また上履きで頭を踏んづけようとする。それで優香は仕方なく、恥を忍んで、舌を出すと、ぺちゃぺちゃと、犬のように音を立てて飲み始めた。

「下品~。音立てて飲み物を飲むなんて、いったいどういう躾を受けたのかしら」
「どうせろくでもない親でしょ。こんな露出狂の娘に育つんだから」
「ひょっとして、母親も露出狂なんじゃない? 親子そろって、夜な夜な全裸で街を歩いてたりしてね」
「そっか~、じゃあしょうがないよね。母親の遺伝じゃあ娘に文句いえないなあ」
「露出狂の遺伝とか、超笑えるんだけど」
「母親にこの姿見せてあげたいよ。お母さん!おたくの娘さんは露出狂として立派に、全裸で犬のようにお茶を飲んでますよってね」
「そしたらどうなるかな~?」
「そしたら? 決まってるじゃん、母親も負けじと脱ぎだすに。それから、二人で全裸で、目と目を見つめ合って、<ママ、あたし恥ずかしがらずにできたよ!><優香、よく頑張ったねえ、これでお前も一人前の露出狂だよ!>って言って、涙を流しながら抱き合うの」
「ハハハ、どんな親子だよ! 超おもしろい!」

 自分のことだけならまだしも、大好きな母親のことまでバカにされて、優香はくやしくて堪らなかった。そしてコップのお茶をなおも舌で飲み続けながら、優香は、もし今のこの状況を母親が見たら何て思うだろうと考えた。成績優秀の優等生だと思っていた自分の娘が、学校で裸になり、両手をハチマキで縛られ、クラスメートたちに軽蔑されながら、床に置いた弁当を直接口で食べている……。お尻を突き出し、男子生徒たちに性器を見せつけている……。母親にそんな姿を見られたら、もうとても生きていけない。だから優香は考えるのをやめた。

 こうして、昼休みの間も、悪夢のような羞恥が続き、一秒も休むことのできない優香であった。
  1. 2011/07/10(日) 15:44:25|
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優香 第十三章 2

 廊下のおしっこは自分がしたと白状し、その拭き取りを命じられた優香は、雑巾の代わりに、自分の下着(ブラとパンティ)を使うことになってしまった。

 優香は教室を出ると、そこに自分の下着が水浸しになっているのを発見した。

「早く拭きなさいよ、その雑巾で」
「そんなになったら、もう捨てるしかないね」
「え? じゃあまさか今日はノーパン? 優香ちゃんノーパンで帰るの~?」
「だって、まさかおしっこ拭いた雑巾なんか穿けるわけないでしょ? だからノーパンで帰るしかないじゃん」
「でもあのバカみたいに短いスカートじゃ、お尻とアソコがまる見えだね」
「別にいいんじゃない? ってゆうか、街じゅうの人に見てもらえて、むしろ嬉しいんじゃない?」
「じゃあもういっそのことそのままの格好で帰ればいいのに」
「そしたら超ウケルよね。全裸で、しかも両手縛ってるんだから、もう犯してくださいって自分から言ってるようなもんだよね」
「ハハハ、マジうける! 優香ちゃ~ん、もう一生その格好で生活しなよ。露出狂のあんたにはそれが一番お似合いだからさあ」
「そうだね、もう優香の制服は全裸でいいんじゃない」
「じゃあもう制服は要らないね。ねえ、優香ちゃ~ん、制服処分しといてあげようか? 一生全裸で暮らすんだったら、もういらないでしょ~?」

 教室の窓や廊下から、そんなふうに話すクラスメートたちの会話が優香の耳に入ってくる。つい半年前までは、クラスの人気者で、誰からも好かれ、憧れられていた優香が、いまやクラスの恥、露出狂、まる出しの胸とおま〇この単なる所有者、へと成り下がってしまっていた。

 学校の廊下の、紛れもない自分のしたおしっこを、みんなの見ている前で、しかも自分の下着で拭き取る優香の姿はまさに恥そのものだった。その姿にもはや半年前までの優等生の面影はなかった。

「見てよあのぶざまな格好! まるで大昔の奴隷か何かよね」
「ホント、見てるこっちが恥ずかしくなる」

 後ろ手に両手を縛られている状態では、床を拭くのは非常に難しいことだった。濡れている場所の前に後ろ向きにしゃがみ、雑巾に何とか指を届かせて、拭くのもすべて後ろ向きで行なわなければなからなかった。しかも細かい移動のために、何度も足を踏み変える必要があるので、そのたびに股を開いておま〇こをまる見えの状態に晒さなければならなかった。そのしゃがんでまる見えの股間の前には、当然、男子たちが群がって、露骨におま〇こを覗き込み、野次を飛ばした。

「優香ちゃ~ん、オマタそんなにおっぴろげにして、おま〇こがまる見えだよ」
「もしかして床を拭くふりして俺たちを誘ってるのかな~?」
「さあ、遠慮しないで言ってごらんよ、あたしのおま〇こに、みなさんのチン〇を、入れてくださいって」
「ほらほら、もっと足を大きく開かないと、おしっこの中に尻餅ついちゃうよ」
「そうそう、そうやってみなさんにおま〇こお見せしてね」

 このように、優香は股を広げて自分の性器を男子生徒たちに眺められ、その色や形をからかわれながら、屈辱の掃除を、続けなければならないのだった。

 そしてまた、おしっこは一度で拭き取れないので、水を含んだ雑巾を(びしょ濡れになったブラとパンツを)絞りに行かなければならなかった。優香は最初廊下の洗面所で絞ろうとしたが、汚いと言われて、トイレへ追いやられた。下駄箱で上履きを取ることができなかった優香は裸足だった。裸足のまま、女子トイレの汚いタイルの上を歩かなければならなかった。そして、洗面台の前に立っても、両手を縛られているため、普通には洗うことができず、ここでも後ろ向きになって、惨めな中腰の姿勢で、汚れた下着を洗って絞らなければならなかった。その様子をトイレにいる他の組の女子たちが軽蔑と嘲笑の眼差しで見つめている。そうしてまた廊下に戻ると、男子たちのいやらしい視線が優香の股間を見ようと待っていて、再びトイレに洗いに行くと、女子たちの軽蔑の視線、悪口、冷ややかな笑い声が、優香の全裸の胸や股間に突き刺さった。

 ようやく掃除を終えたときには、白かった下着はもう黒っぽく黄ばんでしまっていた。もうとても穿けたものではなかった。

 教室に入ると、すでに大半のクラスメート(特に女子たち)は、優香の掃除を監視することにとっくに飽きて、おしゃべりしながら弁当を食べていた。

「あら、どうしたの、全裸で、しかも汚い雑巾なんか持っちゃって?」
「廊下を、拭き終わりました……」
「ああ、あんた廊下で犬みたいにおしっこしたんだったっけ?」
「……」
「じゃあ、もうその雑巾いらないね。くさいから、早く捨てちゃってよね」

 優香は迷っていた。

 するとグループの別の女子が、コンビニのビニール袋を広げながら、言った。

「このビニール袋に入れてちょうだい」
「入れないとあたしたち出て行くからね。教室の中、おしっこ臭くなっちゃうから」
「そしたら教室にはあんたと男子たちだけになっちゃうねえ。それでもいいの?」
「かわいい大事な乳首、食べられちゃうかもね~」

 もはや逆らうことはできなかった。優香は自分の汚れた下着を女子の差し出すビニール袋に入れた。

 すると相手の女子は、袋の入口をしっかり縛り、密閉すると、それを持って教室のゴミ箱の方へ行き、何のためらいもなく捨て去った。

 衣服を一つずつ失っていく絶望感……。体操着のシャツとブルマーに続いて、下着まで失ってしまった。残る衣服は、カバンの中の制服、セーラー服の上着と、あの短いスカートだけだったが、おそらくスカートはノーパンのお尻を隠してはくれないだろう。つまり優香は、体育祭が終わった後も、人前にお尻と股間を晒しながら、駅までの道を歩き、電車に乗らなければならないことが、これで確定してしまったのだった。

(いったいいつまで続くの……いつこの恥ずかしさからあたしは解放されるの……?)

 しかし今はまだそんな先のことを考えている余裕はなかった。現在の屈辱に堪えるだけで精一杯だった。
  1. 2011/07/06(水) 18:29:20|
  2. 優香
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優香 第十三章 1

 騎馬戦ですべての服を失って、ついにグラウンドで素っ裸になってしまった優香。騎馬戦終了後も、服は与えられず、依然両手を縛られたままの状態で、一人悲しく校舎へ帰っていくのだった。

 午前中の競技はすべて終わり、昼休みになった。生徒たちは、昼食を取りに、ぞろぞろと校舎へ戻っていった。

 3年2組の生徒たちが自分たちの教室の前にたどり着くと、教室のドアの前に、全裸の女子が立っているのを発見した。

 優香だった。

 丸出しの股間と乳房を、手を縛られているため隠すこともできず、皆の視線に晒しながら、顔を伏せて鍵が開くのを待っていた。

 それを見たクラスの女子がわざとらしく悲鳴をあげた。

「きゃー、見て、あそこに露出狂がいるよ」
「ホントだ~! でもどうしてうちらの教室の前にいるの。露出狂は露出狂らしく、外の、もっと人がいっぱいいるところにいればいいじゃない」
「よくもまあ男子に混じって騎馬戦やろうなんて考えついたものだよ。おっぱい晒す口実として、これ以上ないチャンスだったんでしょうねえ」
「おまけに下まで脱いじゃって。いやらしい股間を保護者や学校外の人たちに見られて、恥ずかしくないのかしらね」
「しかも騎馬戦終わってるのにそのままって……ホントあきれた女だわ」
「どうせならもう一生そのまま全裸でいなよ。家から学校まで、そのいやらしい胸と股間晒したままさあ」

 そう言うと女子たちのうちの一人が、顔を伏せて恥ずかしがっている優香のもとへ、つかつかと歩いていって、優香の、その丸出しの乳首(持ち主の羞恥もお構いなしに、色気を誇示するようにツンと澄まして立っている、ピンク色の乳首の先っちょ)を、憎らしげに指でつまんで、ねじった。

「いやっ……痛い!」

 優香は顔を歪ませる。屈辱に唇を噛みしめる。だが、何も言い返すことができない。

 相手の女子は、指を離すと、優香の顔ではなく、わざと優香の胸を見ながら(クラスメートの前で恥ずかしげもなく揺れている)冷たく言った。

「あたしたちの教室の前で、迷惑なんですけど。おっぱい丸出しの、そんな恥さらしの格好でいられて」

 優香は謝るしかなかった。

「ごめんなさい……」

「邪魔だからどっか消えてくれない? うちらの視界に入らないところにさあ」

「それは……」

 優香は言葉につまった。どこかへ消えたいとは優香自身も感じていたことだった。できることなら人のいない場所へ隠れてしまいたかった。

 しかし、実際問題として、この素っ裸で、しかも後ろ手に両手を縛られた今の無防備の状態で、逃げてどうなるのだろうか。ひと気のないところ、例えば薄暗い倉庫とか、使われていない実験室、へでも行こうものなら、それこそ興奮した男子生徒の格好の餌食になってしまうだろう。

 そのくらい、優香の姿はいやらしく、危険だった。いやらしく、挑発的な『歩くおま〇こ』だった。だからこんな状態で一人でいれば、それは犯してくださいと自分から言っているようなものである。

 だから優香としては、どんなに惨めで屈辱的であろうとも、なるべく人のたくさんいる(特に女子のたくさんいる)この場所に、留まるよりほかなかった。

「ねえ、早くどっか行ってよ」
「そんなにあたしたちに自慢したいの?」
「言っとくけど、うちらあんたの裸なんか見ても全然羨ましいとは思わないからね」
「そうそう、男子の手垢だらけの汚い裸なんて羨ましくもなんともないよねえ」
「……」

 優香はもう顔を伏せて黙っているしかなかった。逃げようにも、その先には、欲望に股間を膨らませた男子が待ち構えている。優香の無抵抗の裸に飛び掛かろうと、そのチャンスを窺っている。欲情の野獣と化した男子はもう何をするものかわからない。そんな危険な目に合わないためにも、優香は、自分を罵る女子たちの前に留まり続けなければならなかった。

(ああ、誰か助けて……逃げも隠れもできないこの状況から誰か私を救って……)

 優香は廊下を見回して千夏を探した。千夏なら、服を持ってきてくれるとか、せめて手のハチマキを解いてくれるとか、してくれるはずだった。が、千夏はどこにもいなかった。


 と、そのように優香が女子たちの罵声や中傷に必死に堪えていたとき、今までその様子を離れたところで眺めていた一人の女子が、ふと何かに気づいたらしく、突然大声で言った。

「ねえ、みんなちょっと! この壁のところ、なんか濡れてない?」

 それを聞いたクラスメートたちは、一斉に「え、なになに?」とその女子の方へ集まっていった。

「あ、ホントだ、濡れてる。誰か水でもこぼしたのかなあ」
「でもなんか臭くない? なんていうか、その……おしっこのにおい」
「ええ? そんなわけ……いやホントだ。ねえみんな、これおしっこの臭いがするよ!」
「ええ~!」
「うそ~!」
「でもいったい誰のおしっこ……」

 一瞬沈黙の間が訪れた。

 続いてクラスメートたちは、一斉に、ドアの前の優香の方を振り向いた。

 その瞬間の優香の反応、悲しそうに目を細めた、あきらめの、その表情はすべてを物語ってしまっていた。

 乳首をつねった先程の女子がすかさず優香につめ寄った。

「ねえ、あの壁のおしっこ、あれ、あんたがやったの?」

 優香はしばらく無言でいたが、やがて首を力なく振って否定した。

 しかし、その顔の表情は、明らかに自分がやったと、白状していた。

「嘘ついてるのまる見えだよ。正直に言いなさいよね。あれはあんたがしたんでしょ、あの汚いおしっこは?」

 優香の顔に広がるあきらめの色。すでにばれてしまっている嘘を、あくまでつき通すほどの図太さは、優香にはなかった。

「でも、違うの、あれは……」
「違くない! 理由はどうだっていいの。イエスかノーで答えなさい。あのおしっこはあんたがしたんでしょ?」

 優香はなおもためらったが、やがて答えた。

「……はい、そうです」

 うそ~、信じらんな~い、という冷たいざわめきが廊下中に広がった。

「でも、聞いて……!」

 優香は説明を試みようとした。あのおしっこは(自分がしたことはしたのだが)でも、それは、見ず知らずの男に、無理矢理させられたのだ。自分が裸なのをいいことに、ビデオカメラで撮影し、それをネタに脅迫して……。しかし、優香はすぐに断念せざるを得なかった。そんな話、誰も信じてくれるはずがなかった。またたとえ信じてもらえたにしても、そもそも何で男が来る前から全裸でいたのかという説明も(またそのさらに以前からの説明も)しなければならなかった。いまや事情は複雑になりすぎて、当の本人でさえ、信じられないほどだった。

 だから優香は何も言い訳することができず、黙っているよりほかなかった。

 相手の女子は再度優香を問い詰める。

「もう一度聞くけど、じゃあ、あんたは学校で、自分の組の教室の壁に向かって、おしっこしたっていうわけ?」

 優香は力なくうなずく。

「ちゃんと答えなさい!」
「……はい、そうです」
「何がそうなの?」
「……あたしは、学校の、自分の教室の、壁に、お……おしっこをしてしまいました」

 廊下中に広がる軽蔑の冷ややかな笑い声。相手の女子は、憎しみと怒りから、今にも優香に掴みかかりそうな雰囲気だった。が、相手にするのもバカバカしいというように、軽蔑の笑みを浮かべると、冷たく言い放った。

「そう、じゃあ早く掃除しなさいよね。あんたがしたんだったら、あんたが自分で片付けるのが、常識でしょ?」
「はい……」
「いますぐに!」
「え? いますぐ……ですか?」
「当たり前でしょ! それともあんた、教室の前におしっこ放ったらかしにしたまま、あたしたちにお昼ご飯食べろっていうの?」
「いえ……」と優香は首を振る。「じゃあ、あの……このハチマキ解い……」
「うるさい、そのままの状態でやりなさい。神聖な教室を冒涜した、罰よ」

 もう相手の言うとおりにするしかなかった。優香は込み上げる涙を必死にこらえて、教室に入って雑巾を取ろうとしたが、それをまた叱責された。

「何で雑巾使うのよ! あんたの汚いおしっこなんか拭いたら、もう二度と使えなくなるじゃない」
「でも……じゃあ、どうやって?」

 相手の女子は優香の机の上のカバンを、ごそごそと物色しだした。と、何やら取り出した。

「あ、これなんかちょうどいいんじゃない、雑巾に」

 と言ってクラス全員に見せつけるようにしたそれは、優香の朝まで穿いていたパンツとブラだった。

 優香の純白の下着の登場に、男子たちが「おおっ!」と色めきたったのは言うまでもない。近づいて奪い取ろうとする。匂いを嗅がせろと、本気だか冗談だかわからない声を飛ばす。

 優香は恥ずかしさに体じゅう赤くなりながら、その自分の下着の方へ駆け寄った。

「やめて! あたしの下着をそんなふうに扱わないで!」

 しかし、男子たちの視線が、超至近距離で、自分の丸出しの胸を凝視しているのに気がついて(いやっ、見ないで……)、優香は再び背を向けて遠ざかった。

「なに恥ずかしいふりしてんのよ」
「胸や股間を見せるのは平気でも、下着は恥ずかしいって、矛盾してると思うんですけど~」
「ホントどこまでぶりっ子を演じれば気が済むんだか」
「ホントは恥ずかしくもなんともないのにねえ」

 周りの女子たちは優香が恥ずかしがって逃げると一斉に冷たい言葉を浴びせるのだった。

「お願い……それで拭いたら、もう穿けなくなっちゃう」

 優香は下着を振りかざす女子に遠くから言った。

「穿けなくなる?」言いながら相手は構わず下着を頭上でひらひらさせている。「穿けなくなるっていったって、どうせあんた穿かないじゃない? 露出狂のあんたにはパンツもブラも必要ないんでしょ? だから、これで拭きなさいよ」

 そしてその女子はそのまま下着を持って教室の外に出ると、廊下のおしっこの水たまりの中に、それを放り落とした。

 この瞬間、優香のパンツとブラジャーはおしっこを拭くためのただの雑巾と化した。

 優香はもうおとなしく掃除を始めるしかなかった。
  1. 2011/07/06(水) 18:28:49|
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優香 第十二章 18

 騎馬から腰を浮かせたことで、短パンが膝まで滑り落ちてしまった優香。後ろ手に両手を縛られている状態では、それを直すことはできず、丸出しになったお尻と股間を、もはや晒し続けるしかなかった。言うまでもなく、上半身は裸だったから、もう優香はいかなる衣服によっても体を覆われていない。生まれたままの姿で、体育祭真っ只中のグラウンドに存在しているわけだった。

 湧き起こる観客のオナニーコール。突き刺さる女たちの冷たい視線……。

「オ・ナ・ニ~ッ! オ・ナ・ニ~ッ!」
「バッカじゃない! 大の男があんなこと言って。ここどこだと思ってんのかしら」
「そうそう。それに、あんな恥さらしがAV女優だなんて言ったら、本物の人たちに失礼よ。だってアレは、演技でもなんでもない、本当の露出狂なんだからね」

 目の前の敵の男子は、観客のその熱狂ぶりに、対決するのを躊躇してしまっていた。

「おい、みんなオナニーしろって言ってるぜ? するなら早くやっちゃってくれよな」
「す、するわけないじゃない……!」と優香は顔を伏せたまま叫ぶ。「そんなくだらないこと言ってないで、早く頭のハチマキ取っちゃってよ……!」

 こんな惨めな状態は早く終わりにしたかった。グラウンドの大観衆の前で素っ裸の状態でいるこんな地獄からは、一刻も早く解放されたかった。

 敵の男子生徒は、そうか、と答えると味方の三人に素早く視線を送った。その合図に三人はにやりと笑いながらうなずいてみせた。(うん、言われなくてもわかってる)と三人の目は語っていた。

「よし、それなら遠慮なく、行くぜ!」

 そう最初の男子は叫ぶと、優香の方へ身を乗り出した。そして右腕をまっすぐ優香の方へ伸ばしてくる。優香はじっと顔を伏せていたので、その気配だけしかわからなかったが、やっとこれで終われる、と半ばホッとした気持ちで、ハチマキが奪われるのを待った。

 サッと黒い残像が視界を横切った。が、優香の頭には何の感覚もなかった。ん?……と優香が思った次の瞬間、突如自分の露わな胸に、男子の腕が伸びてきて、たちまち手で優香の乳房を鷲づかみにしてしまった。

「……?」

 一瞬優香は自分の身に何が起こったのか理解できなかった。

 しかしすぐに気づいた。気づくと同時に果てしない混乱に陥った。

「いやぁぁぁッー!」

 続いて、すぐに他の男子たちの腕が、それぞれ優香のもう一つの乳房やお尻へと伸びてきた。それら三つの手によって、丸裸の優香のおっぱい、お尻が、揉まれていく……。優香はそれを、後ろ手に両手を縛られているため、何の抵抗もできず、ただ見守っているしかなかった。

「ちょっ……なにするの……! やめて、触らないで……」

 しかし男子たちの指は止まらなかった。優香の敏感な乳首を、指でいやらしく刺激し、丸出しの白いお尻を、遠慮なく揉みまくる。やめて、と言う優香の声が徐々に震えを帯びてきた。それを聞いた乳首担当の男子は、興奮とともに、優香の敏感な乳首を、さらに激しく、さらにいやらしく、指で責め立て刺激した。

「やぁぁ……め……ぁん!……」

 やがてハッと気づいた優香は、その自分のものとは思われない、いやらしい女の声に、自分で恥ずかしくなって、これ以上言葉を発するのはやめようと決意した。

 しかし何も言わないとなると、それはまるで自ら歓迎しているようにも、周りからは見えた。

「あれ~、なんにも言わなくなっちゃったよ~。ってことは、もしかして歓迎しているのかな~?」
「ち、ちが……ぁん……!」
「よし、歓迎してくれるんだね。じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるよ」

 と言うと、今まで横で待機していてその時を待っていた四人目の男子が、素早く腕を伸ばしてきて、優香の、丸出しの股間へまっすぐ向かってきた。そしてその指が、騎馬の座席と優香の股の隙間に強引に割り込んできて、優香のおま○こに直接触れてきた。

「いやぁぁぁッー!」

 もう自分の身に何が起こっているのか、何をされているのかも、よくわからず、ただもう屈辱と恥ずかしさの混乱状態になって、優香は叫んでいた。

 やがて男子の指は、優香の股間を強引に座席の横へずらしてしまった。代わりに足の付け根が、座席に腰掛け、するとずらされたおま○こは、空中に無防備に引き出された。そしてその引き出されたおま○こを、男子の指が、もう何の邪魔されることもなく、刺激し始めた。後ろ手に両手を縛られた優香は、なすすべもなく、騎馬の上で、体を激しくくねらせるばかり。さらには両の乳首を、二人がかりで刺激され、お尻も責められ続けているので、唇を噛み締めて声を出さないよう我慢するのが精一杯だった。もう観客の卑猥な野次も耳に入らなかった。秋の大気の冷たさも肌に感じなくなった。その代わりに、いまは股間と乳首に感じる恥ずかしい刺激と、体全体に湧き上がる火照りが、優香の感覚をいっぱいに満たした。優香は顔を上げ、目を閉じて、ただ声を洩らさないようにすることだけに意識を集中させていた。

「おおすげえ~! 公開プレイかよ!」
「あの指づかい。最近の高校生はなかなかやるな~」
「見ろよあの気持ちよさそうな顔。快感で目を閉じちゃってるぜ」
「こんな状況で感じちゃうんだもんな。とんだ変態女だよ、まったく」

 優香は必死に声を我慢しながら、気持ちとは関係なく感じてしまう自分の女の体を恨んだ。男たちの果てしない指責めに、もう乳首は硬直してピンと立ち、股間は濡れていやらしい音を立てるようになっていた。見守る観客の目の前で、お尻が、快感のため、独りでに左右に揺れ出した。クチュクチュクチュ……という音とともに、いやらしい液体が、むき出しのおま○こから、一メートルほど下の土の地面に、垂れた。

 もはや言い逃れのできない快感の証拠……。それを見た観客の興奮はもう爆発寸前だった。

「うおお~! ついにマン汁でた~!」
「いいぞ~、もっと出せ~! 校庭を洪水で溢れさせるんだ!」
「女優さ~ん、口では嫌だとか言ってたけど、やっぱりして欲しかったみたいですね~!」
「こっち向いてくださいよ~。そのびしょびしょのおま○こが僕たちによく見えるように!」
「自分の指で開いて、濡れたおま○こをファンのみんなに見せてくださいよ~!」

(どうして……どうしてあたしこんなに嫌がってるのに……勝手に出ちゃうのよ……)

 優香は自分の股間からダラダラと流れ出る液体を、屈辱と快感の混在した気持ちで眺めるのだった。このいやらしい液体を溢れさせている、卑猥な女性器が、自分のだなんて……。知らない男子の指で触られて、たくさんの観客に見られている、この女性器が……。いや、そんなわけない! 絶対に、そんなはずはあり得ない……!

 優香は自分の心の中に渦巻く感情を、もううまく把握しきれなくなっていた。彼女はもはや無意識のうちに、性的な快感に身を委ねる一人の下品な女となっていた。それはもう本人の意思ではどうすることもできないことだった。女の体が勝手に反応してしまうのだ。

(やめて……やめてよ、このままじゃ、あたし……どうにかなっちゃう……!)

 もしここで、次のような出来事が起こらなかったら、優香の屈辱的な快感はいつ終わりを迎えたかわからない。そしてその果てしなく続く快感によって、優香はどうなってしまったことか、ちょっと想像もできなかった。しかし、このとき突如ある出来事が起こり、優香は悪夢から覚まされることになった。

 その出来事とは、それまで優香が刺激に悶えているのを、ただ見守っているしかなかった味方の騎馬たちによって起こされたのだった。彼らは目の前で優香が敵の手に好き放題触られているのを、最初のうちは興奮しながら見ていたが、やがて、自分が参加できないのがくやしくなり、ついには激しい嫉妬を覚えたのだった。そこで、こんな奴らに俺たちの優香を取られるよりはと、突如一斉に走り出して、グラウンドを逃げ出したのだった。

「ま、待て、どこ行くんだ!」
「いいところだったのに、何てことしやがる!」
「追え、逃がすな!」

 すかさず追いかけてくる敵の騎馬。しかし、優香を乗せた味方の騎馬は、強い結束感に結ばれて、猛スピードで走って逃げた。しかも、その彼らの走ったのはグラウンドの中央ではなく、その周り、つまり観客席の目の前のリレー用のコースだった。だから観客たちはそれぞれ目の前に、騎馬に乗せられて走りすぎて行く全裸の優香を見出した。今まで遠すぎていまいち状況がつかめないでいた観客も、それによってあられもない姿をした女子生徒の存在に気がついた。自分の目の前を、後ろ手に両手を縛られながら、ぷるんぷるん乳房を揺らして(白いお尻を丸出しにして)走り去って行く裸の女子生徒。それは、一度目の前を通り過ぎても、向こうの生徒席の方を回って一周してくると、再び目の前に現われるのだった。

「ちょっと~、もう素っ裸じゃない! よくあれで平気でいられるわよね」
「得意げにおっぱい揺らしちゃってさ。そんなに大きい胸を自慢したいかね」
「しかもアレ見た? 股間からいやらしい液垂らしちゃって、最低よねホント」
「よっぽど快感なんだろうね、みんなに裸見られるのが」

 もう観客席中が異様な熱気に包まれていた。軽蔑の囁きと卑猥な野次があちこちから起こった。また生徒席からは、憎しみに顔を歪めた女子生徒たちの、恥さらし、露出狂、女の敵、などという蔑みの声が目の前を走り去る優香のもとへ飛ばされた。

 すでに錯乱から我に返っていた優香は、グラウンドの外から自分に向けられる蔑みの声を耳にして、屈辱と恥ずかしさでいっぱいになった。そして、自分の意思とは無関係のことだったとはいえ、男子たちの指責めに快感を覚えてしまった自分を恥じた。

(みんな違うの。あれは、しかたないことだったの……自分の意思では、どうすることも……お願い、わかって……)

 しかし憎しみと嫉妬に燃える女たちには到底理解できることではなかった。彼女たちはもうただ優香憎しと、ヒステリックに罵声を浴びせかけるだけだった。

 この羞恥の逃走劇はグラウンド四周も続けられた。

 が、四周目の途中ごろから、それまで必死に逃げ回っていた味方の騎馬たちが段々疲れだした。追い続けていた敵の騎馬も、同様に疲れてはいたが、こちらは相手よりもグラウンドのやや内側を追いかけていたので、その距離ぶんだけ疲労は少なかった。だから次第に優香の騎馬は追いつかれ始めた。

 やがてついに、四周目の最後の直線、つまり観客席の目の前のコース上で、敵に追いつかれてしまった。

「よし、捕まえろ!」と、追いついた敵の騎馬が、ぜえぜえ息を吐きながら、叫んだ。
「おう、任せとけ!」と騎上の男子がそれに答えた。

 そして身を乗り出して腕を伸ばした。その敵の男子の手が優香の肩を捕まえた。肩をつかまれた優香は、騎馬の上でバランスを崩し、依然猛スピードで走り続ける騎馬の勢いに、上体を後ろへ倒されてしまった。そしてそのまま後方へ勢いよく投げ出されてしまった。

 そのとき、その勢いよく後方へ投げ出されているあいだに、優香の膝にそれまで引っ掛かっていた短パンが、するりと抜け去り、宙に舞い上がった。落下した優香の体は、間一髪、墜落の瞬間に背中を押さえた敵の男子によって激しい衝撃を受けずに済んだ。

 一瞬の静寂。観客の目の前で、全裸で尻餅をついている優香。地面に落下したときのままの状態で、膝を曲げ、股を大きく開いている。丸見えの股間。砂に汚れた、むき出しの濡れたおま○こ……。

「いやぁッ!」

 優香は転落の衝撃から我に返ると、自分のあられもない姿(観客に向かって大股開きしている自分の状態)に気づいて悲鳴を上げた。そして、すぐに足を閉じ、短パンを腰へ上げようとしたが、短パンは膝からなくなっていた。優香はあちこち振り返って探したが、短パンはなかなか見つからなかった。

 やがて、敵の騎馬が近づいてきて、残念そうに言った。

「騎馬から落っこちたから、失格、だな」

 そう言うと座り込んでいる優香の頭からハチマキを取って、グラウンドを退場していった。味方の男子も騎馬の形を解いて、退場門の方へ走っていった。優香はぼう然とその後ろ姿を見送っていたが、ハッと気づいて、

「ちょっと、誰か、この手首のハチマキ外してよ!」

 と叫んだが誰も戻ってはこなかった。

 グラウンド上にたった一人取り残された優香。後ろ手に両手を縛られた状態で、素っ裸で、見つめる観客の視線に晒されている。観客の食い入るような視線が、自分の裸の胸に、股間に、突き刺さる。

 やがて、こんなところにいつまでも座り込んでいるわけにはいかないと、優香は、恥ずかしさを堪えて、ふらふらと立ち上がった。そして、後ろ手に両手を縛られた、胸も股間も丸見えの状態で、着衣の観客に向かって、

「誰かこの手首のハチマキ、外していただけませんか……私の穿いていた短パン、どこかに落ちていませんか……」

 と震える声で言ったが、誰もそれに答える者はいなかった。男の観客はにやにやいやらしい笑みを浮かべて裸の優香の胸や股間を舐めるように眺めているばかり、女の観客は汚いものでも見るように、顔をしかめて、横目で睨んでいるばかりだった。

「誰か手首のハチマキを……誰か私の体操着を……」

 もう裸を見られることも顧みず(しかし顔は恥ずかしさで真っ赤になりながら)観客席の前をうろうろ移動しながら、必死に頼み続ける優香。

 と、あるとき観客の一人の男性が、自分の足元から何かを拾い上げて、呟いた。

「あれ、こんなところに短パンが落ちてるぞ」

 その男の言葉を聞きつけた優香は、すかさずその方へ歩み寄った。男の手には、明らかに先程まで自分の穿いていた、白い短パンが、握られていた。

「あ、あの、それ、私のです……」

 そう言って優香は短パンを返してもらおうとした。しかしそのとき、男の隣にいた中年の女が、半ば強引に男の手から短パンを奪い取ると、優香を睨みつけて、冷たい調子で言った。

「これが何であなたのなのよ? これは男子生徒用の短パンでしょ? だからあなたの物のわけないじゃない。それともあんた、そんな大きく膨らんだ胸で、自分は男だと言い張るつもり? そんな、平たい、いやらしい股間を丸出しにしといて、男子だって言うつもり? この女の恥! あんたはあのいやらしいブルマ穿いてさっさとストリップ小屋にでも行きなさいよ。この短パンは、きっと誰かこの学校の男子生徒が落とした物だから、あたしがちゃんと先生に届けて、あなた以外の、持ち主の手に返してもらいますからね」

 そう言うと女は振り返って、短パンを持ったまま観客席からいなくなってしまった。

 あーあ、行っちゃった、と観客席に広がる笑い声。ざまあみろ、と言う女の小さな呟き……。優香は、もう体を隠す一枚の衣服も持っていない素っ裸の状態で、学校のグラウンドに取り残されてしまったわけだった。頭の先から足の裏まで、一枚の布切れも身につけていない……いや、ただ一つ、後ろ手に両手を縛られている赤いハチマキだけが、いま彼女の身につけている衣服、というか布の、すべてだった。しかしその布切れは、身につけている本人の裸を隠すどころか、両手を縛って、かえって乳房や股間を隠せないようにしているのだった。だからそれは完全な全裸以上のはずかしめ、手で隠すこともできないまま、晒し続けていなければならない、究極の裸の状態だった。

 優香はその究極の裸の状態で、もはや自分でも何を願っているのかわからずに、観客席の人々に向かって、祈るような眼差しを送るのだった。

 が、そこへグラウンドのアナウンスの声が、競技が終わったので選手は退場してくださいと、明らかに優香一人に向けて、告げた。

 それで優香は、もうあきらめるしかないと悟り、両手を縛られた情けない素っ裸の姿で、グラウンドを歩き出し、退場門の方へ向かっていった。そして「変態!」「露出狂!」などと野次の飛び交うなか、やっとのことで退場門を抜けてグラウンドを出ると、群れ集う観客や生徒の人波を押し分けて、唇を噛み締めつつ、校舎の方へと歩いていった。

 校舎へ続くアスファルトの道の上を、着衣の人込みに取り巻かれながら歩いていく裸の優香。「そんな格好でどこ行くの?」とか「おっぱい丸出しでよく恥ずかしくないねえ」とか、露骨に嫌味を浴びせられる。優香は何も答えず、顔を伏せたまま、晒し続けなければならない胸をぷるぷる揺らして、黙って校舎の方へ向かっていく。

 午前中の競技は騎馬戦ですべて終了だったから、優香が校舎へ向かっていくことは、それ自体としては、特別おかしな行動ではなかった。ただ一点、何も衣服を着ていない全裸であるということだけが、人々の注目を優香に集めさせているのだった。

 こうして、体育祭午前の部が終了した。
  1. 2011/05/04(水) 14:16:22|
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