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私立〇〇高校、三年二組の教室。
一日の最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、優香は教科書を鞄にしまい、帰る仕度に取り掛かった。が、そのときふと鞄の中を覗くと、そこに一枚の見知らぬ写真が入っていることに気がついた。
(なんだろう…)
不思議に思い写真を取り出した。そしてそこに写し出されているものを見た。
優香は愕然とした。
(な、なによこれ!)
それは自分の裸の写った写真だった。場所は自宅の風呂場――つまりシャワーを浴びる直前の全裸を撮ったものだった。かなり近くから、おそらく窓の隙間から撮ったものらしく、自分のDカップの胸や乳首、薄いアンダーヘヤーにいたるまで、細かいところまではっきりと見て取れる。
(なに、どういうこと…)
当然のことだが優香には訳がわからなかった。どうして自分の裸が、写真に撮られて、しかもその写真が自分のカバンに入っているのか? 優香は顔を上げると、それからさっと無意識に教室中を見回した。周囲のクラスメートたちはいつものように帰り仕度をしながら授業の終わった後の解放感から友人同士ざわざわ陽気に話し合っている。優香はその中に自分を見つめている視線はないかと探したが、誰も彼女の様子を窺っている者はなさそうだった。
「優香、どうしたの?」
「え?」
優香は突然話し掛けられてびっくりした。声を掛けたのは香織だった。優香の部活の仲間で、また彼女の一番の親友でもあった。
「さっきからなにぼーっとしてんのよ?」
「え…いや、ううん、べつに」
そしてすかさず写真をカバンの中に隠した。
――――――――――――――――――――――――
優香の携帯にメールがあったのはその夜、彼女がもう帰宅した後のことだった。差出人不明のメール… メールにはこう書かれていた。
「以下の命令を明日実行してこなかった場合、例の写真をビラにして、学校中に貼り付ける。」
優香は読みながら自分の手が震えていくのを感じた。
「命令。明日あなたは学校に、スカートを下着の見えないぎりぎりの短さに詰めて登校すること。最低股下5cm。スカートの中にジャージ等の着用は不可とする。またもし学校を休んだ場合、その場合も命令に従わなかったものとして同様の罰をあなたに下す。なおこのことを誰か他人に、特に警察に喋ったら、写真は学校ばかりか町中にばらまかれるものと覚悟すること。」
そして添付された画像を見ると、そこには先程彼女を震え上がらせた、例の全裸の写真がそっくり映し出されていた。
それを見た優香は気が遠くなった。
優香の転落の始まりはこういう次第だった。
- 2009/05/27(水) 02:18:37|
- 優香
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