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羞人たち

趣味で書いた羞恥小説 18禁です。

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優香 第八章 1

 長い夏休みが終わり、新学期が始まった。新学期の初日、優香は沈んだ顔をして制服のスカートに足を通した。股下5センチしかないスカート。鏡に写った自分を見つめて、優香は屈辱を新たにするのだった。

 教室に入ると優香はすぐに自分に向けられる冷ややかな視線を感じた。それまでわいわい楽しげに話し合っていた会話がぴたりと止まって、一斉に優香の方を向いた。

「お、おはよ…」

 優香は言ったが誰からも返事はなかった。その代わりに、方々のグループで何やらひそひそ話が始まって、変態、露出狂、来なくていいのに、などという言葉が断片的に優香の耳に入るのだった。優香は赤くなった顔を俯きながら自分の席へ向かったが、その間、絶えず背後から女子の悪口と男子の卑猥な言葉が飛んでくるのだった。

「お~い白いパンツ見えてんぞ~」
「二学期も俺たちを楽しませてくれよな」
「また優香ちゃんのおっぱい見たいな~。成長しておっきくなったかな、どうかな?」
「あと、今年中にはやらせてくれよな」

 自分の席に着いた頃には優香は早くも泣きそうになっていた。事態は少しも良くならない、いやそれどころか夏休み前よりもっと悪くなっているし、またこれからも日を追うごとにますます悪くなっていくだろう、そう優香は考え、絶望でいっぱいになった。

――――――――――――――――――――――――

「ねえ、田辺さんちょっと」

 昼休みに女子の一人が優香を呼んだ。付いていくと、トイレに別の二人の女子が待っていた。クラスのちょっと派手目な三人組だった。優等生の優香とは、これまでほとんど話をしたこともなかったのだが、今日、こんなところにいきなり呼び出して、一体どういうつもりだろうと優香は不審に思った。

「なに、どうしたの?」と優香は不安そうに尋ねた。

 すると三人のうちのリーダー格の千夏が、にやにや笑いながら携帯の画面を優香に向かって突き出した。

「ねえ、これどうゆうこと?」
「え、なに?」

 優香はもっとよく見るため身を乗り出した。そして、その画面に映し出されているものを見るなり悲鳴を上げた。

 それは全裸の優香の画像だった。しかもそれは見覚えのある、合宿中の、深夜のコンビニを裸で訪れたときのものだった。

「これだけじゃないよ。ほら、ほら…」

 そう言って千夏は次々に別の画像に切り替えてみせた。そのどれもが卑猥このうえない、優香にとって忘れたくても忘れられない、あの悪夢のような羞恥の瞬間を写したものだった。

「え、なんで? ねえ、どうして?」
「それはこっちが聞いてるんでしょ!」
「まさかねぇ、あの田辺さんが…」と仲間の女子が言い出した。「露出狂だったとはねぇ。まあそれは前から薄々気づいてたけど、じゃなきゃそんなパンツまる見えの短いスカート穿いてこないし。でもまさかブログにこんなに堂々と載せるほどだとは思わなかった。超ウケる!」
「え、ブログ…? ねえブログって何のこと?」
「とぼけなくていいよ。もううちら知ってるんだから。『優香の露出狂日記』――現役女子高生の優香が日々の露出体験を画像とともにアップしていき…」
「ちょっと見せて!」

 優香は読み上げる千夏の携帯をむりやり奪い取り、そこに書かれている文章を見た。

(なんで…どういうこと…?)

 千夏たちの言っていることは嘘ではなかった。それは紛れも無い自分の裸の画像付きのブログだった。
『8月XX日……部活の合宿中です。もう夜中ですがさっきコンビニに行ってきました。もちろん全裸で。でも田舎なので全然人がいないのでちょっとがっかり。でもコンビニの店員さんはイケメンだったし、あたしの裸みて興奮してたみたい。これはその時の画像です。どお? すごいでしょ?……』

「ち、違う…これあたしが書いたんじゃない…」

 優香は顔面蒼白になりながら言った。

「違うもなにも明らかにあんたじゃない! 名前も同じだし、顔だってどう見てもあんただよ。それとも双子の妹でもいるって言うの? 同じ名前の、露出狂の…」

 再び起こる下品な笑い声。優香は気が遠くなり、まるで夢の中でのように笑い声が遠く聞こえるのだった。(なに…どういうこと、これは? あたしこれからどうなっちゃうの?)

 終わりの始まりはこのようにして幕を開けた。
  1. 2010/05/27(木) 10:24:53|
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