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羞人たち

趣味で書いた羞恥小説 18禁です。

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優香 第七章 2

「ねえちょっとあの子見て……」
「え、なに?……うわ! なにあの格好! 透け透けじゃない! チク……いや、その、胸が……」
「そうなのよ、しかもさっきからあそこにああやって突っ立ったまま、隠しもしないのよ」
「あれじゃまるで見てくださいって言ってるようなもんじゃない! 汚らわしい!」
「ホントよね、最ッ低!」

 優香は嫌でも耳に入ってしまう、こんな軽蔑の言葉を人が通り過ぎるたびに聞いた。香織の命令で(目障り、一緒にいて恥ずかしいとの理由で)部員たちから離れた場所に、たったひとり立っていなければならないのだった。その際ちゃんと胸を張って(あんたのかわいい乳首をみんなによく見てもらえるように)気をつけをして(隠したりしたら承知しないよ!)立っていなければならないのだった(もし逆らったらビリビリに破いてやるからね!)

 そのすぐ目の前の通路をひっきりなしに他校の女子部員が通った。そのたびに優香は軽蔑の眼差しで睨みつけられ、聞こえよがしの悪口を吐き捨てられるのだった。

「変態!」
「目障りなんだよ!」
「お前の胸なんか誰も見たかねえよ!」
「男子がいなくてさぞ残念なんでしょうね」
「てゆうかまじウザイ。帰れ…」

 死ぬほどの恥ずかしさ。死ぬほどの屈辱感。優香は泣きそうになるのを必死に堪えて立ち続けていた。

 そんなときだった。優香が後ろから声を掛けられたのは。

「田辺さん……?」

 聞き覚えのある男の声に、優香はびっくりして振り返った。と、それはサッカー部の斎藤だった。ひそかに思いを寄せている、中学からの友達の斎藤が、すぐ背後から、名前を呼んだのだった。

「イヤーッ! 見ないで!」

 優香は慌てて斎藤に背を向けた。

「ご、ごめん、俺そんなつもりじゃ……でも田辺さんその格好どうし……」
「な、なんで斎藤くんがここにいるの? ねえどうして、練習は? 大会近いんでしょ? それなのにこんなところで……」

「あたしが呼んだのよ!」とそのとき香織がやってきて言った。口元に意地の悪い微笑を浮かべて二人のもとへやってきた。

「あたしがお願いして来てもらったの。高校最後の大会だからね、きっとあんたのことだから斎藤くんに見に来てもらいたいんだろうと思ってね」

 と言うと香織は、斎藤に背を向けている優香の肩をいきなり掴んで、「ほら、あんたありがとうは? 忙しいところわざわざ来てもらったんだから。ちゃんと前向かなきゃ失礼よ!」
「イヤッ! 絶対イヤッ! 帰って斎藤くん! 来てもらったのはありがたいけど、お願いだからこのまま帰っ……」

 ビリッ!

 何かが裂ける音がした。
(え、なに?……いや嘘でしょ!)

 嘘ではなかった。優香の紙製ウェアのお尻の裾が、縦に裂ける音だった。見ると香織の手が裾を掴んでいる。香織は、それから小さく優香の耳元に、

「あんた逆らったらどうなるかわかってんでしょうね? 今すぐすっぽんぽんになってもらったって構わないんだよ。そしたらもう着るもの何も無くなるけどね。全裸で試合して、全裸で家まで帰ってもらうからね」
「……」

 もう抵抗するすべは残されていなかった。香織の言う通りにするしか道はないんだ!

「ほら、いつまで待たせるの? 早く斎藤くんにお礼いいなさい」

 優香はしぶしぶ(涙ながらに)振り向いて斎藤の前に立った。すると斎藤の目に映った。中学からの友人、優等生の呼び声高い、田辺優香の、透けた膨らみ、尖ったピンクの乳首……

「ちゃんと目を見て! 胸を張って! 返事は?」
「はい……」

 言われた通りにすると、ただでさえ窮屈な胸は突っ張って、透けたピンク色がより濃く見えた。ぴんと張り切った紙を、乳首が今にも突き破りそうだった。優香は顔を真っ赤にしながら斎藤の目を見た。その斎藤の目は彼女の裸同然の胸(特に先っちょの割れ目までわかるピンクの乳首)に注がれていた。

(おねがい見ないで!……斎藤くん……恥ずかしい……)

「斎藤くん……」優香は震える声で言った。「今日は来てくれて……どうもありがとう……」

 そして香織にうながされて深々とお辞儀をすると、先程のウェアの裂け目が、縦にさらにビリビリッと、腰の辺りまで広がってしまった。

「イヤーーッ」

 慌てて押さえようとした優香だったが、しかしさらに運悪く、とっさに手を尻に伸ばした瞬間、右の乳首が、張り切った紙を突き破ってしまった。

 遮るものの何もない、優香の裸の乳首が、斎藤の目の前に現れた。ピンク色の豆粒。田辺優香の……生のおっぱい……

「いャーーッ!」

 優香は走って逃げ出そうとした。試合なんかもうどうでもいい、このまま逃げて帰ってしまおうと……が、そんな思いもむなしく(優香の考えをあらかじめ見越してか)後ろから香織がウェアの背中をしっかり掴んでいるのだった。それで終わりだった。この状況で走り出したら、間違いなくウェアは破れて、全裸で逃げなくてはならなくなる。そうなったら(きっと警察に捕まって)もう完全におしまいだ。

「あんたなに逃げようとしてんのよ! まだ斎藤くんに言うこと残ってるでしょ! あたしの最後の勇姿を見届けてくださいってお願いするのよ!」

 その間もウェアを掴まれたままだった。優香にはもう他にどうすることもできなかった。

「斎藤くん……今日は私の最後の試合……勇姿を……見届けてください……」

 斎藤は先程から目のやり場に困り、明らかに戸惑っている様子だった。

「う、うん……見届けるよ……」
「私の……すべてを……」優香は香織の囁く言葉の通りを繰り返していた。「……見届けてください」
「うん……わ、わかった……」と言う斎藤の視線は無意識のうちに優香の胸、紙の裂け目からまる見えになっている乳首に注がれた。

 優香は片思いの相手に自分のむきだしの乳首を見つめられ、しかもそれを(まるで変態女みたいに)隠そうともせず見せたままにしている自分が、情けなくてしょうがなかった。

「どう? 斎藤くん」香織が言った。「この子、斎藤くんが来たからって乳首まで見せちゃって……よっぽど嬉しいんでしょうね。ほら、もう興奮して硬くなってるわよ、いやらしい!」

 斎藤の自分を見る目がだんだんいやらしく、と同時に軽蔑の色を帯びてきたのを知って、優香は悲しくなった。
  1. 2009/10/18(日) 19:45:36|
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