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羞人たち

趣味で書いた羞恥小説 18禁です。

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優香 第十一章 5

 優香は壇上で準備体操をしている間、グラウンドにいるすべての人間の視線が自分に集まっているのを感じていた。

(みんな私を見てる……みんな私のことを変態だと思ってるわ、きっと……)

 田崎から前に出るようアナウンスされたとき、優香は何かの間違いだと思った。そんなこと聞かされていなかった。しかしこの優香の突然の指名は、実は事前にもう仕組まれていたことだったのだ。千夏が、あの修学旅行の一件を撮影したビデオで、田崎を脅し、今ではもうこの鬼教師を自分の意のままに操れるようになっていた。

「教え子をレイプしたなんて、こんなことが世間に知れたら即刑務所行きね」

 だから体育祭のちょっとした段取りを変更させることなど今の千夏には実に簡単なことだった。

 が、そんなこととは知らない優香は、ほとんど泣きそうな顔になりながら、壇上で体操をし続ける。千夏に手を抜くなと命令されていて、また田崎からは少しでも手を抜いたら一日中壇上に立たせると脅かされていたので、優香は足を動かすたびにブルマの切れ目からおま○こが丸見えになってしまうのをどうすることもできなかった。ちょっと足を開いただけで、切れ目が開き、いやらしい自分の女性器が露出してしまうのだ。壇の周囲では、カメラ小僧たちが優香のむき出しの股間を真下から撮っている。

(あぁ……私の大事なものが、あのカメラの中に……お願い、撮らないで……)

 今ではもうすべてのカメラ小僧が、優香のブルマの秘密を確認してしまっていた。女性器の形に沿ってブルマが切られており、しかもパンティを穿いていない。だから体操の動きに合わせ、おま○こが、時にはビラビラまで含めて全部、カメラに収めることができた。

 見も知らない男のビデオカメラに自分の女性器の映像が保存される(しかもおそらく永久に……) 女性としてこれ以上の屈辱が他にあるだろうか。優香はそれを隠すことも体操の手を抜くことも出来ず、まるで合意の上であるかのように(まるで見てくれといわんばかりに)18才の、娘盛りのおま○こを晒していなければならないのだった。


 やがて、優香には一時間にも二時間にも思えたが、悪夢のような準備体操がやっと終わった。優香は露出したおま○こに冷たい風を感じつつ、足をガクガク震わせながら壇から下りた。

 もう気が遠くなりかけていた。一刻も早く列に戻りたかった。注目する人々の視線から逃れたかった。

 が、そう思って小走りに駆け出そうとした優香を、田崎が急に呼び止めた。

「ちょっと待て!」と言った。「お前それはどうしたんだ?」

 優香はビクっとして立ち止まった。心臓が破裂しそうだった。

「え……なんですか?」
「なんですかじゃないだろ! そのブルマーに開いた穴のことに決まってるじゃないか!」

 と、その瞬間グラウンド上が騒がしくなった。というのも、田崎の持っていたマイクの電源が、このとき(不注意にだろうか)オンになっていて、そのため二人の会話はグラウンド中に響きわたっていたのだった。

 つまり、優香の服装の異常なことが、この瞬間、すべての人間に知れ渡ってしまったのだった。

「いやぁぁぁ……」響きわたる優香の悲鳴。しかし公然と指摘されて死ぬほどの恥ずかしさだったが、それを手で隠すことは禁じられているので出来ない。つまりどんなに注目を浴びても晒したままにしておかなければならず、しかもそれはいま、終わったばかりの体操のせいで股の生地がずれ、切れ目は大きく左右に開いたままに、つまりおま○こが丸出しになったまま固定されてしまっていた。自分で見下ろした優香の目にも裂け目がはっきりわかるほどだった。

 優香は何とも説明ができない。ただ恥ずかしそうに顔を赤らめているばかりだったが、しかし一方では露出したおま○こを少しも隠そうとしなかった。田崎が激しく詰め寄る。

「どうしたんだと聞いているんだ! そんな股の裂けたブルマー穿いて……それにお前、パンツ穿いてないだろう? 性器が丸見えになってるじゃないか!」

 グラウンド中に広がるざわめき、噂話、嘲笑……

 優香はやはり答えることができない。そして自分のおま○こに向けられた視線を回避することもできない。

「これは明らかな服装違反だぞ」と田崎は教師らしく言った。「すぐに着替えてきなさい」
「あの、でも代えがありません……」
「代えがない? ということは、それはお前のブルマーということなんだな?」

 優香はしばらくためらったが、千夏の名前は出せないので、

「そうです……」と答えた。
「じゃあそのお前のブルマーに、どうして股間に穴なんか開いているんだ? 誰かに切られでもしたのか?」

 優香はまたちょっとためらったが、やがて小さく口を開いて、

「そうです……朝学校に来たら、切られていて……」
「それをそのまま穿いたのか?」
「はい、代えを持ってきていなかったので……」
「そうか、わかった」

 妙に物分りのいい田崎。その田崎の納得したような表情に、優香は最悪の事態だけは何とか免れることができるとホッとした。が、続いてすぐ田崎の口から発せられた質問に、優香は王手を掛けられることになった。

「そうか、誰かが悪意があってやったのか……でも、じゃあなんでパンツを穿いてないんだ?」

 優香はハッとした。自分のついた嘘に首を締められる心地だった。

「あの、それは……」
「これも誰かのせいだとは言わせないぞ。朝学校に着いたら盗まれてましたなんてな。さあ、答えろ。どうして穿いて来なかったんだ」

 優香は頭の中でいろいろな理由を考えた。何かもっともらしい言い訳を。そしてやがて一つの答えを口にしたが、それはもう苦し紛れの嘘だった。

「あの……その方が動きやすいと思って……」
「動きやすい? ブルマーがこんな状態なのに、動きやすいようにパンツを脱いだというのか?」

 優香は自分の言った言葉に顔を真っ赤にした。嘘をつき慣れない人間が嘘をつくと必ずこんな結果になる。嘘が自分の立場をさらに悪くしてしまうというような。

「お前、本当に動きやすさが目的でパンツを脱いだのか? そのためなら性器くらい見えても構わないと思ったのか?」

 また嘘の下手な人間というのは自分のついた嘘を簡単に白状してしまうものである。

「いいえ……」
「つまりいま言ったことは嘘だったと?」
「すいません……」
「じゃあ朝学校に来たらブルマーが切られていたというのも?」
「はい、私の思い違い……」
「思い違いじゃないだろ! とっさに嘘をついたんだろう?」
「……はい、嘘を言いました」

 情けなさと恥ずかしさ。そして、絶体絶命の危機。優香はもう自分はこれで終わりだと思った。自分の人生はもうこれですべて終わりなんだ。こんないやらしい格好をみんなに見られて、その正当な理由も説明できないで、苦し紛れに嘘までついて…… 息を呑んで見守る観客、また全校生徒。今ではもうすべてがはっきりしたように思われた。なぜ優香のブルマーの股間が切ってあるのか、またなぜ下着を穿いていないのか。誰かに切られたというのが嘘だとしたら、いったい他にどんな理由があるだろうか。

「嘘なんかついたらますます自分の立場を悪くするだけだぞ。いいか、本当のことを言いなさい。どうしてブルマーの股間が切ってあるのか、またなんでパンツも穿かずおま○こを見せびらかしているのか?」

 田崎は興奮して自分が露骨な名称を口にしたことに気づかなかった。そして言われた優香の方は、その露骨な名称に顔を赤らめ、それを、見せびらかしているなどと決めつけられてしまい、死にたいほどの屈辱だった。優香は少なくともその誤解だけは晴らしたいと反論しようとしたが、そのとき、別の一人の教師が田崎のもとにやってきて、進行がもうだいぶ遅れてしまっていると注意したので、優香の反論は発せられず、誤解はそのままの形で残ることになってしまった。

 こうして、この不自然に始まった公開裁判は、しかし自然な結論を人々の心に残して、中止を余儀なくされた。

 田崎に許されてようやくクラスの列に戻ることができた優香だったが、もはや優香には観客の視線を逃れることは不可能だった。誰もが優香を追って見続けている。しかしそのたくさんの視線には二つの種類しか存在しなかった。軽蔑の意味か、性的な意味かの、どちらかだった。優香の無実を信じてくれる人間は誰もいなかった。

「よっ! 変態女!」と男の野次が観客席から発せられた。

 冷たい笑い声が客席中に広がった。

 優香は顔を真っ赤にしてうつむいているより他なかった。
  1. 2010/10/29(金) 07:36:22|
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