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放課後の実験室はひっそりしていた。実験室は校舎の外れに位置しているため授業以外に生徒はほとんど立ち寄らないからだった。
優香は入るとまず部屋の中を見回した。が、予想に反してそこには誰もいなかった。ただ窓際のテーブルの上には明らかに不審な紙袋が一つ置いてあった。
万がいち人が通っても見えないようにとドアを閉めた。と、それとまったく同じタイミングで彼女の携帯が震えた。メールが来ていた。
「ではまず、紙袋の置いてあるテーブルの前に立て」
優香がその通りにすると、すぐ次のメールが送られてきた。
「では次に、その場でスカートを脱げ」
「そ、そんな…」優香は思わず声を発した。「そんなこと、できるわけない…」
すると即座にメールが届いた。
「今から一分以内にできなければ、写真を校門に貼り付ける。」
優香は窓の外を見た。校門は今彼女の立っている窓際の位置からよく見える場所にあった。下校中の生徒たちがまだ何人も、それこそ無数に、そこを通っていた。もし命令通りにしなかったら、自分の裸の写真があそこに貼り出され、何十人もの人間に(その中には自分の知り合いだっているかもしれない)写真を見られてしまうのだ。そう思うと躊躇している暇はなかった。もうメールを読んで考えているうちに三十秒以上は経過していた。
「もう従うしかないのね」
そう考えて優香はスカートに手をかけたがなかなか決心がつかなかった。実験室だからといって誰も来ないとは限らない。もし自分が下着姿でいるところへ誰かが入ってきたりなんかしたら、一体何と説明すればいいのだろう。
こうためらっているうちに五十秒が経過した。優香はまだスカートに手をかけたままどうしようかと迷っていた。
するとそのとき、校門の前に突然、大きなポスターを手にした人間が現れて立った。遠くてその顔はよく見えず、また学校のジャージを着ているのでここの生徒であるらしいことはわかったが男女の見分けはつかなかった。しかし正体はわからないがその目的は、優香には一目瞭然だった。生徒はもう今にもポスターを広げようとしている。
「いやッ!」
優香は悲鳴を上げ、もう考える余裕もなく、ほとんど反射的にホックを外して…そしてとうとうスカートを、腰から床へすとんと落とした。
短いセーラー服の裾は彼女の白い下着を隠してはくれなかった。夏の夕暮れの日差しが剥き出しのパンティーと太腿を赤く照らした。
「いやッ!」
我に返った優香はたちまち自分の状態の不自然さを理解して恥ずかしくなったが、もはや床に落ちたスカートを自分で拾うことはできないことだった。
校門の前に立ってポスターを持っていた生徒の姿はいつの間にか消え去っていた。
- 2009/05/27(水) 06:52:49|
- 優香
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