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こうして悲惨な3泊4日の修学旅行が終わった。
学校に到着し解散になると、優香は千夏から荷物を返してもらった。
「それと……」と言って千夏は鞄から何やら取り出した。「これ、あんたの初体験のお祝いに内緒で買ったの」
それはド派手な赤い下着だった。後ろがTバックになっている。
「もうあんた大人の女なんだからこれくらいの下着穿かないとね。ちょっといま穿いてごらん!」
そこは下駄箱だった。他の生徒たちが大勢通る中で優香はその渡された下着に足を通した。
千夏は優香のスカートをめくって鑑賞した。Tバックなのでお尻は丸出し、前は布が細すぎて両側から毛がはみ出ていた。あるいはノーパンよりいやらしいかもしれない。
「ハハハッ! チョー似合う! チョー変態じゃん! 今日はこれ穿いて帰れよ!」
――――――――――――――――――――――――
校門に差し掛かると、優香はそこに斎藤と香織が二人でいるところを見た。
「ねえこれから斎藤くんち行っていい?」
「ええ?お前また来るのかよ。今日はもう俺疲れたよ」
「でも斎藤くんのお母さんにこの前のお礼しなきゃ。ご飯ご馳走になった。ね、ちょっとだけ。いいでしょ?」
「……ったく。しょうがねえなぁ」
優香は顔を伏せて通り過ぎようとした。二人が一緒にいるところを見たくなかったし、また二人に自分の姿を見られたくもなかった。
が、そのとき、風が優香のスカートをめくり、穿いたばかりのあのいやらしい赤い下着があらわになった。すると後ろから来ていた生徒が「お、パンチラ! すげえエロいパンツ! 」と叫んだ。すると二人は優香に気付いた。香織は優香の顔を憎らしげに睨んだ。
「あんたまだそんなくだらないことしてんの? 恥ずかしくないの?」
「おい、香織! やめろよ!」
と斎藤は止めながら、まるで見てはいけないというように、香織の頭を優しく抱いて向きを変えさせた。
「関わらないほうがいいぞ!」
そう言うと斎藤は香織の手を取り、その手を繋いだまま、校門を出て、そのまま一組のカップルとして帰っていった。
「斎藤くんの手、あったかい……」
「香織の手が冷たすぎるんだよ」
「ねえもっと強く握って……」
「ほらっ! こうか?」
「やだっ! 痛い! もう……」
香織の甘えた声が響いた。
その後ろを優香は、ひどくみじめな気持ちで、一人ぼっちで歩いていたが、やがて堪えられなくなって走り出すと、二人を追い越しどんどん引き離すのだった。
それから一週間ほど、優香は40度近い熱を出して学校を休んだ。
- 2010/06/11(金) 10:50:05|
- 優香
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