1年生の女子たちにシャツをびしょ濡れにされてしまい、股間の露出に続いて、乳首も透けて丸見えになってしまった優香であった。
「何でこんな目に会わなきゃいけないの……こんなの恥ずかしすぎる……」
と優香は泣きながら千夏に言うのだった。
その千夏は(表向きだけ)なんだかんだと優香を慰めていたが、やがて、ふと何かひらめいたように、こんなことを言い出した。
「そうだ、いいこと思いついた!」
「なに? いいことって……?」
「方法よ。濡れて透けるんなら、乾かせばいいのよ」
「乾かす……の? でもどうやって?」
「いい場所があるのよ。さ、行きましょ! もうしばらく出場する競技もないことだし」
そう言うと千夏は、まだ何やら訳がわからないでいる優香を引っ張って、グラウンドを歩いていった。観客たちが優香の透けた乳首をいやらしく見つめるのを掻き分けて、やがてグラウンドを出て、二人は校舎の方に向かっていった。
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校舎に入った二人は階段を上へ昇っていた。外で体育祭が行われているので、校舎の中は誰も人がいなかった。
「ねえ、千夏ちゃん、どこに行こうとしてるの……?」
「大丈夫、行けばわかるから」
千夏はそう答えて階段をどんどん上っていってしまうのだった。
やがて二人は階段を昇りきった。屋上に着いたのである。
「よし着いた!」
屋上に出ると千夏は上機嫌で言った。そして向かいの端まで行き、そこの手摺りから腕を伸ばして空を指さした。
「見てよほら! キレイな青空」
たしかに雲ひとつない青空だった。風は秋のせいか少し冷たかったが、太陽が照っているので、屋上はぽかぽかして暖かかった。
「なるほど、わかったわ、千夏ちゃん。ここで乾かすのね?」
「ピーンポーン、正解!」
「ここなら早く乾きそうね」
「いい場所思いついたでしょ、あたし?」
「うん、千夏ちゃん天才!」
「さあ、じゃあもう答えもわかったことだし、早速取り掛かりましょ! その濡れた体操着を脱いで」
「え……?」
優香は耳を疑った。
「え……? 体操着……脱ぐの?」
「当たり前でしょう? 乾かしに来たんじゃなかったの?」
「もちろんそうだけど。でも別に脱がなくても……例えばここに横になってるだけでも、いいんじゃない……?」
「だめよ、そんなことしてたら優香ちゃん風邪ひいちゃうよ。そんな濡れたままの格好で寝るなんて。大丈夫、絶対誰も来ないから。それにここのドアはこっち側から鍵を掛けれるようになってるから、もし誰か来ても入れないよ」
「う、うん、そうだよね……でも、やっぱり屋上で裸になるのは……」
優香はまだためらっていた。
「もう、じれったいなぁ。せっかく優香ちゃんのためを思って連れてきたのに……それともこんなこと、おせっかいだったかな……? もし迷惑だったら、ごめんね……」
と千夏は何だか急に元気をなくしてしまうのだった。優香はその様子を見るや、自分の優柔不断を責めた。
「ううん、迷惑だなんて全然思ってないよ。それどころか千夏ちゃんにはすっごく感謝してるんだよ。あたしの方こそごめんね。せっかく役に立とうとしてくれたのに、何か変な意地張っちゃって……」
そして優香はもうためらわずに脱ごうと決心した。恥ずかしさはまだあったものの、千夏の友情を裏切るわけにはいなかった。優香はシャツの裾に手を掛け、さっとそれを脱ぎ去った。
しかしいくら人のいない屋上とはいえ、ここは学校の、しかも野外に属する場所である。シャツを脱いで上半身裸になると、優香は紛れもない戸外の風を肌に感じて、途端に恥ずかしさを覚えるのだった。秋の乾いた風が乳首の先端を撫でるように吹き過ぎた。優香は肌寒さに思わず身震いすると、それとともに豊かな乳房が、柔らかそうに、ぷるんぷるん揺れるのだった。
「ね? これでいいわよね、千夏ちゃん?」
「うん……でもあとブルマも、脱がないと」
「ブルマ……も?」
優香の笑顔が引きつった。
「そうよ。だって、ブルマも濡れちゃってるんでしょ? 脱がないと優香ちゃん風邪ひいちゃう……」
と千夏はまたしんみりして言うのだった。
「そ、そうよね……もちろんブルマも脱ぐんだよね……」
優香は笑いながら言ったが、しかしシャツに続いて、ブルマーまで脱がなければならない、つまりもう全裸にならなければならないのだ。優香の心は激しく動揺した。
しかしもう脱がないわけにはいかなかった。孤独な立場に置かれている優香にとって、千夏はいまたった一人の友達といえる存在だった。その友情をこんなつまらない自分のわがままで台無しにするわけにはいかない。優香はそう思うと、もう迷わずブルマーに手を掛けた。
すでに股間もお尻も丸出しのブルマーだったとはいえ、それでも一応穿いている服ではあった。だからブルマーを下ろし、足首から抜き取ると、優香は急に腰周りが寂しくなり、あらためて恥ずかしさを覚えるのだった。もう何も身に付けていない。何も体を隠すものがない。いや、上履きと靴下だけは履いたままだったが、しかしその上履きと靴下を履いているという不自然さがかえって、自分が裸であるという感覚を強くするのだった。
「ああ、やっぱり恥ずかしい……」
「ほんのちょっとの辛抱なんだから、そんなこと言わないの。さ、脱いだらそれを干しましょ、貸して」
そう言うと千夏は優香の手から服を取った。
と、優香にはもう自分の裸を隠す一枚の布もなくなった。つるつるの股間の割れ目を風がひんやりと撫でて通る。白いお尻が緊張で固くなる。
やがて千夏は優香の脱いだシャツとブルマーを屋上の手摺りに広げて干した。
「これでよしっと。あとはこのまま乾くのを待ってればいいだけね」
「風で飛ばされないかしら……?」
「大丈夫、ちゃんと洗濯バサミを付けといたから。洗濯バサミには糸が付いてて、その糸をこの手摺りに縛りつけてあるの。ね、それなら飛ばされっこないでしょ?」
「うん、そうだね……」
「だからあとはぼんやりひなたぼっこでもして待ってればいいわ。乾いたらまたそれを着て、グラウンドに来てちょうだい」
そして千夏は言いながら、出口へ向かって歩いていくのだった。
「ねえ、ちょっとどこ行くの?」
「え? あたしはグラウンドに戻るよ。もしこのまま一緒にいたら、二人が姿を消してることを田崎が怪しむかもしれないでしょ?」
「そ、そうよね……」
「だからあたしはもう戻ってこないから、優香ちゃんはここにじっとして乾くのを待ってなきゃダメよ」
そして本当にいなくなってしまった。
取り残された優香は、千夏が出ていくと急いでドアの鍵を閉め、誰も入って来られないようにした。が、それでもやはり心細かった。学校の屋上でたった一人、生まれたままの姿でいるなんて……
一方千夏は、全裸の優香を屋上に残して、グラウンドへ行くと思いきや、そのまますぐ下の階、屋上の真下の部屋へ入っていった。
そしてその部屋の窓の向こうに、糸が垂れ下がっているのを見て、にやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
(よし、計画通りね……)
その垂れ下がっている糸というのは、つまり、屋上の優香の体操着に付けた洗濯バサミに繋がっているものだった。風で飛ばされないように手摺りに縛り付けたというのは嘘で、実際はこうして下へ垂らしておいたのだった。
が、一体何のためなのか?
(さて、ここからが本当の体育祭の始まりよ)
千夏は窓を開け、腕を伸ばしてその垂れ下がっている糸を掴んだ。そしてにやりと笑みを浮かべながら、実行のタイミングを測り始めるのだった……
- 2010/11/08(月) 18:05:02|
- 優香
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