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羞人たち

趣味で書いた羞恥小説 18禁です。

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優香 第八章 4

 教室に入ると、後ろから付いてきていた千夏がドアを閉めた。廊下はまだざわついている。

 女子たちは無関心を装っていたが、事情を知らないクラスの男子は、下着姿で現われた優香を見て奇声を上げた。

「おいマジかよ、その格好で歩いてきたのか!」
「いよいよ頭おかしくなったんじゃねえの!」
「クラスの中だけじゃ飽きたってわけか!」
「とんでもない露出狂だな!」

 優香はそうした男子の罵声に恥ずかしさを新たにし、引き攣った顔で、制服を返してくれるよう千夏の方を向いたのだったが、千夏は制服を返すどころか、優香にこう言ったのだった。

「制服返す前にさあ、みんなにちゃんと説明してよね。これじゃあまるであたしがいじめてるみたいじゃない。自分がやりたくてやったって、そう説明してよね」

 そして優香をクラスメートたちの方に向かせ、後ろから優香のパンティをTバック気味に食い込ませ、その丸だしのお尻をつねるのだった。

「さあ早く!」と千夏のイライラした声。「それともブログのことばらしていいの?」

 しかしそれでも優香は俯いたまま黙っていた。すると堪忍袋の緒を切らした千夏がいきなり大声で、

「みんな聞いて! 優香ちゃんはいまブロ……」

 すると優香が大声で遮った。

「やめて! わかった、わかったからそれ以上言わないで!」
「ったく! だったら最初からそうしろよな。いいかちゃんと笑顔で言うんだぞ」

 そして優香は耳元に囁かれる千夏の言葉を、遠い意識の中で、ほとんど意味もわからず、クラスメートたちに向かって復誦するのだった。

「あの……これはいじめなんかじゃありません。私がやりたくて……裸で学校の中を歩きたくなって……したのです。学校中の人に……私の下着姿を見てもらいたくて……それで制服を……親友の千夏ちゃんに預かってもらって……更衣室からブラジャーとパンツだけで……たくさんの人に見てもらいながら……ここまで歩いてきたんです……」

 呆然と聴き入るクラスメートたち。

(ねえ笑顔は? にっこり笑ってみせなよ!)と後ろから千夏がお尻をつねりながら囁いた。

 優香はもう自分で何をやっているかもわからずに、にこっと、まるで本当に楽しいことがあったように、笑顔を浮かべた。その作りものではない笑顔に、クラスメートたちは騒然とした。

「こりゃ本気だぜ!」
「本気でやりたかったんだ!」
「じゃなきゃあんなふうに自然に笑えるかよ!」
「最ッ低ね! 更衣室で嫌がってたのは実は嘘だったのよ!」
「ホントは命令されて嬉しかったんだわ!」

 そんなクラスメートの言葉も今の優香の耳には入らなかった。薄れかけた意識の中で、つねられるお尻の痛さの条件反射で、ただ笑顔を浮かべる、そのことしか頭の中にないのだった。クラスメートの前で自分が下着姿でいることも、いま宣言した言葉も、また今この自分の浮かべる笑顔が同時に自分が変態だと認めることを意味しているということも、頭の中にないのだった……

 やがて休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。

「おい変態! いつまで裸でいるつもりなんだよ!」という千夏の声で優香は我に返った。が、我に返ると今の自分の状況を再度はっきり意識して、再び引き攣った泣き顔で、千夏の方を見た。

(お願い! 早く制服返して!)

 焦っていたためつねられたお尻の痛さも(そこには今は真っ赤な跡が付いていた)、またTバックに食い込まされ自分のお尻が丸だしになっていることも、優香は忘れているのだった。そんな彼女のぷりぷり揺れる白いお尻を、クラスメートたちは軽蔑を含んだいやらしい眼差しで眺め回した。

「この露出狂! 早く着ろよ!」

 と言ってようやく千夏は鞄の中から制服を取り出して優香に渡すのだった。

 優香は受け取った半袖のセーラー服を急いでその場で着た。

「さあ、次は!」

 と優香は続いて受け取るはずのスカートを待った。が、千夏はこれで終わりとばかり、知らん顔をして、いっこうに渡そうとしない。

「ねえ、早く! 次にスカートは?」

 すでにクラスの皆は各自着席して教師の来るのを待っていた。もう今にも教師が現われそうだというのに、優香は上は制服、下はパンツ一枚という格好で、焦りと恥ずかしさにもじもじながら千夏に詰め寄るのだった。

 と、わざらしく鞄の中をごそごそやっていた千夏は、これもまたわざとらしく、すっとぼけて、

「あれ、スカート更衣室に忘れてきちゃったみたい。それともどっか廊下に落としたかな……だから次の授業はその格好で我慢して。ごめんね」

 そしてそう言い残すなりさっさと自分の席に着いてしまうのだった。優香はその後を追おうとしたが、そのとき教室のドアが開いて、教師の手が見えたので、優香はそのままパンツ一枚で、慌てて自分の席に座るのだった。

「おいおい、パンツ丸だしで授業かよ」
「ばれたら大変なことになるぞ」
「どうせだったらパンツも脱いで、おま〇こ丸だしでやってくれよな」

 横からも後ろからも、優香のパンツはまる見えだった。学校の固い木の椅子に腰掛ける優香の、上はセーラー服をちゃんと着た、しかし下は白いパンティだけという格好の、その不自然さはいかにも卑猥な姿だった。

(いやっ! みんな見ないで! 恥ずかしいよ……)

 しかしこんな格好ではどこへ逃げることもできないのだった。クラスメートに下着を晒しながらも、このまま椅子に座っていることが唯一の安全な道なのだった。

 起立、礼は何とか中腰でごまかせた。このまま一時間何事もなく済めばいいが、もし教師に指されでもして、立つことになったら、一貫の終わりだ……
  1. 2010/06/09(水) 20:44:20|
  2. 優香
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優香 第八章 3

 いつもの休み時間だった。生徒たちの話し声でどこの廊下も活気づいている。笑い声、口笛、はしゃいだ叫び声……どこの学校にでもある普通の休み時間だった。

 と、そこへ、一人の女子生徒が階段を上って現われると、途端に廊下は水を打ったように静まり返った。白い下着姿の女子生徒。俯いた顔を真っ赤にして、泣きながら階段を上ってきた。驚く女子生徒たち、呆然と見つめる男子生徒たち。下着姿のその女子生徒が通り過ぎると、彼らはその後ろ姿をなおも追いつつ、各自こそこそ話し始めるのだった。

「おい、あれ2組の田辺だろ?」
「何で裸なんだよ!」
「気でも狂ったか?」
「それともいじめられでもしてんじゃないか?」
「いや、あいつ近頃変態の噂あるからわからんよ」
「それにしてもエロい体してんなぁ……」

 そうした違うクラスの男子のにやにや笑い、また同じく違うクラスの女子生徒たちの冷たい目線。その中を、本来着ているはずの制服を着ないで、白いブラジャーとパンティだけの姿で、胸の谷間もあらわに、白いお尻を揺らしながら、3年の廊下を歩いていく、それこそまさに成績学年一位の女子生徒、田辺優香の姿だった。

「ねえ、田辺さんどうしたのその格好!」

 違うクラスの女子生徒が心配そうに声を掛けた。が、優香は何とも答えず逃げるように教室へ向かっていく。ぷりぷり揺れるお尻がいやらしい。

「何よせっかく人が心配してあげてるのに」と隣にいたもう一人の女子が言った。「チョー性格わるい!」

 優香は恥ずかしさで全身真っ赤になるのだった。意地悪な男子や女子にからかわれるのも恥ずかしかったが、こういう本気で心配してくれる普通の女子生徒に自分の屈辱的な姿を見られるのはより一層の恥ずかしさだった。それはおそらくまだ優香の中に残っていた優等生としてのプライドが、他人からの同情を拒んでいたからなのだった。

(ああこれで……)と優香は思うのだった。(クラスの人だけでなく、学年中の人に見られてしまった。みんながあたしのこと変態だって思うんだ……)

 と、その時、3組の教室から一人の男子生徒が顔を出した。「いやぁっ!」と優香は叫び声を上げた。顔を覗かせたのは、ほかならぬ優香の片思いの相手、サッカー部の斎藤だった。その斎藤の視線が、自分の下着姿を捉え、ブラジャーを、次いで白いパンティを眺めるのを優香は見た。

「いやぁぁっ!」

 優香は両腕でむなしく胸や股間を隠しながら、逃げるように教室へ駆け込んだ。
  1. 2010/06/09(水) 20:43:14|
  2. 優香
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優香 第八章 2

 教室に戻ると優香はクラスメートたちの雰囲気が何となく妙だと思った。特に女子たちが、睨みつけるように一斉に優香の方を振り向き、何やらこそこそと喋り出したのに気がついた。最近ではもう彼女たちの間で優香は存在しないものとして無視するのが通常だったのに、一体これはどうしたことだろう。

(もうみんな知ってるんだ……)

 優香は即座に悟った。しかし男子の方はそうではないらしかった。もし知っているなら女子より露骨にそのことを表すはずなのに、誰もそのようなそぶりを見せることはなかった。


 5時間目の授業は体育だった。不安だったが何事もなく授業は済んだ。が、更衣室に戻って着替えようとすると制服がなかった。優香はすぐ辺りを見回した。女子たちは表向き知らん顔をしていたが、そっと優香の方を窺ってはくすくす笑うのだった。

「ねえ、誰か私の制服知らない?」
「知らない。てか何でうちらに聞くの?」
「いや、その……」
「誰か変態が盗んだんじゃない? あんたのあのいやらしいブログ見て興奮した男が」

 するとまた一斉にくすくす笑う声。やはりもうみんな知っているのだ……

「違う! あれはあたしじゃないの! ねえ返して! どこにあるの?」
「知らねえよ!」

 と言うと、千夏は突然優香に襲い掛かり、体操着を脱がしに掛かった。優香は必死に抵抗したが、すぐに二人の仲間が加わり、とうとう優香は体操着を奪われ白いパンツとブラジャーだけの姿にされてしまった。

「いやっ! 返して!」と優香は泣きながら叫んだ。
「なに、あんたの趣味のお手伝いしてあげるのよ」千夏が笑いながら言う。「ネタに困るといけないと思ってね。いい、今からあんたはその格好で教室に帰るのよ」
「やだっ! お願い! 私の制服返して!」
「教室に行ったら返してあげる。でももし次の授業に間に合わなかったら、ブログのことみんなに言うよ。先生にも、警察にも、テレビ局にもね。ばれたらどうなるか、もちろんわかるでしょ」

 ばれたらどうなるか……優香は絶望の中で考えた。当然学校は退学。親に何て言い訳したらいいだろう。警察やマスコミに知られて話題にでもなれば、それこそもう日本では暮らしていけなくなるだろう。たとえブログをでっちあげた犯人が捕まったとしても、それで優香の恥が消え去るわけではないだろう……

「さあ、早くしないと休み時間終わっちゃうよ」

 優香は渋々立ち上がる。他のクラスメートたちは、直接関わりたくないらしく、一人また一人と更衣室から出ていくのだった。

「大丈夫うちらが後ろから付いててやるから。もし誰かに何か聞かれても、何も言うんじゃないよ。最悪先生に見つかったら、自分でこうしてるんだと言いな」

 こうして優香は下着姿のまま、もはや逃げ道もなく、更衣室を出た。二、三歩行くと背後で更衣室のドアの鍵が閉められた。まだその辺りはひと気のない廊下の、しかし空気が肌に冷たかった。
  1. 2010/06/09(水) 20:42:08|
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